豆乳等によるアレルギーについて-3 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・2.食物アレルギーについて(注7)
(1)食物アレルギーについて
食物アレルギーとは、食物を摂取した時に、身体が食物に含まれるタンパクを異物として認
識し、自分の身体を防御するために過剰な反応を起こすことです。その発症の機構からクラス
1 食物アレルギーとクラス2 食物アレルギーに分類されています。クラス1 食物アレルギーは、
通常の食物アレルギーで、食物が消化管から吸収されてアレルギーを起こすもので、代表的な
食物としては卵や牛乳、小麦、そば、大豆などが挙げられます。一方、クラス2 食物アレルギ
ーは、花粉中のアレルゲンタンパクやラテックスタンパクの吸入、接触によりアレルギーが発
症した後、それらと類似したタンパクを含む果実や野菜などを経口摂取した時に口腔粘膜で発
症するもので(このことを「交差反応」といいます)、口腔アレルギー症候群とも呼ばれていま
す(表1)。
(2)豆乳等による食物アレルギーについて
大豆は、日本型食生活に欠かせない食品である一方、日本人にみられるアレルギー食品の一
つとも言われています。従来、大豆による食物アレルギーと言えば、豆腐や枝豆などの摂取に
よりアレルギー症状を起こすクラス1 食物アレルギーが一般的でしたが、近年、豆乳の摂取に
よるクラス2 食物アレルギーが増加傾向にあるとされています。
豆乳による口腔アレルギー症候群については、複数の文献において症例の分析が行われてお
り、成人女性が発症するケースが多いことや、大部分の患者がカバノキ科(シラカンバ、ハン
ノキなど)の花粉症を有していること、豆腐などの大豆加工食品は安全に食べることのできる
ケースもあること、果物や野菜に対する口腔アレルギー症候群を合併するケースも多いこと等
の特徴が指摘されています。一方、発症のしくみや病態等については、現時点では不明な部分
が多いとされています。
表1.クラス1 食物アレルギーとクラス2 食物アレルギー


             発症経路
クラス1 食物アレルギー
(通常の食物アレルギー)腸管からの吸収により発症
クラス2 食物アレルギー
(口腔アレルギー症候群)花粉の吸入やラテックスとの接触により発症

アレルゲン
クラス1 食物アレルギー卵、乳、小麦、大豆、落花生など
クラス2 食物アレルギー花粉やラテックスのアレルゲンタンパクと類似したタンパクを含む野菜、果物、(豆乳)など
症状誘発 消化管での吸収により発症
クラス2 食物アレルギー口腔粘膜で発症
症状
クラス1 食物アレルギー 主に全身症状
クラス2 食物アレルギー主に口腔アレルギー症候群
(注7)豆乳等による食物アレルギーに関する記述は、以下の文献を参考にしました。
・「大豆アレルギーの多様性とそのリスク低減化戦略」~低アレルゲン大豆加工食品の開発と流通システムの構築の試み~.食品工業, 53(12): 75-87, 2010
・アレルギーの病気で気になることⅦ 豆乳アレルギーとは? Q&A でわかるアレルギー疾患,4(6):589-591,2008
・豆乳アレルギー. アレルギーの臨床, 28(8):650-655, 2008 他