その3:平成22年度相変わらずつづく家庭内の化学製品による事故 | 化学物質過敏症 runのブログ

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▼芳香・消臭・脱臭剤
 芳香・消臭・脱臭剤に関する事例は81件でした。
 本製品に特徴的な形態として自動噴射する設置型芳香剤がありますが、人が近くにいる時に突然噴射する事例や、カートリッジや電池の交換時など、想定しない状況で噴射する事例が今年も報告されています。


事例1 【原因製品:芳香・消臭・脱臭剤(自動噴射型エアゾール)】
 患者:3歳 女児 状況 自動噴射型エアゾール式の消臭剤を子どもが上から覗き込んでいたときに、自動でスプレーされ、眼に入った。

症状:眼の痛み(洗眼後に改善)。 処置・転帰:洗眼。

 転帰:不明。


▼園芸用殺虫・殺菌剤等
 園芸用殺虫・殺菌剤等に関する事例は67件。成分別では有機リン含有剤が22件、グリホサート含有剤は10件、ピレスロイド含有剤は12件でした。


事例1 【原因製品:有機リン系園芸用殺虫殺菌剤(粉末・顆粒タイプ)】
 患者:50歳 女性。

状況:殺虫剤と殺菌剤の希釈液5Lを、電動の噴霧器で庭のバラに散布した。

保護具は着用していなかった。

直後より症状が出現し、翌日に医療機関で受診した。 症状:当日:下痢、頭痛、手のしびれ、筋肉痛、発熱 翌日:発熱、筋力低下、縮瞳 (第5病日、頭痛、下痢以外は改善)。処置・転帰:外来受診(4日、内服薬処方)。


▼除菌剤
 主に除菌をうたった製品に関する事例は23件。
事例1 【原因製品:安定化二酸化塩素含有除菌剤(スプレータイプ)】
 患者:年齢不明 女性。 状況:エアゾール式の除菌剤をスプレーした際、薬剤が眼に入り、症状が出現した。

症状:眼の痛み(2日後も持続)。 処置:洗眼。転帰:不明。


事例2 【原因製品:次亜塩素酸含有除菌剤(スプレータイプ)/アルコール系芳香・消臭・脱臭剤(スプレータイプ)】
 患者:38歳 女性。状況:車内で、ポンプ式スプレータイプの除菌剤と消臭剤を大量に使用した。

2名が車内にいたが、スプレーした本人のみ症状が出現した。

症状:悪心、めまい(しばらくして改善)。 処置・転帰:家庭内で経過観察。

防水スプレー:省略

参考: 家庭用品等による急性中毒等の情報(財団法人日本中毒情報センター)
http://www.j-poison-ic.or.jp/homepage.nsf


 厚労省は「正しく使うことで事故は防げる」というのが基本的立場です。

大量に撒いた、子どもの手の届くところに置いたなど、"正しくない"使い方、管理例が多く見られますが、そうではない事故例も多々見受けられます。
 そもそも、家庭の中に危険な毒物を当たり前に置くことをやめなければなりません。

そのためには、製品のマイナス情報をきちんと提供し、危ない製品は規制するべきです。

「適切に使えばだいじょうぶ」という考えは、行政もメーカーも消費者もやめるべきです。
 スプレー型の事故が増えています。

吸入は危険です。"何でもかんでもスプレー"はやめましょう。
 1回プッシュで長時間持続、自動噴射型、全量噴射型など、便利さを過剰に求める製品はメーカーはやめてほしいし、消費者は安易に買わないことです。(安間節子)