(1)グルタチオン やαリポ酸等を使用した解毒治療
グルタチオンやαリポ酸は、体内で生成される天然キレートである。
αリポ酸、あるいはグルタチオンを注射などで注入すると、図のように金属を取り込む。 金属そのものがなくなるのではなくて、キレート剤の中に取り込まれるのだ。
丸印の硫黄の部分が活性部位になって、ここで重金属を解毒する。
αリポ酸は肝臓で生成さ れる。
グルタチオンも同様に硫黄の部分を持っている強力な抗酸化物質(トリペプチド)で ある。
システイン、グリシン、グルタミンから作られる。
体が十分に栄養を吸収できないと、十分にアミノ酸が得られず、グルタミンが十分に作られないので、 解毒能力が下がって体調が悪化する。
グルタチオンは過酸化物を還元する。グルタチオンは脳における最も重要な抗酸化物 質の一つで、フリーラジカルのダメージから脳を守る。
私たちは、以下の物質を静脈注射で投与するといった治療を日々行っている。
①他の薬剤が混ざらない還元型グルタチオン600mg(i.v.)週1回を4度
②大量のビタミンC投与(アスコルビン酸ナトリウム7.5g)+マグネシウムアスパ ルテート/カルシウムEAP/亜鉛/交互に投与
③セレニウム-ナトリウム100μg、ビタミンB群(葉酸を含む)
④αリポ酸300~600mg
⑤Lカルニチン1000mg
コンパクト解毒プログラムという1週間の解毒プログラムもある。
また、経口剤を 6~10週間服用して結果を 見ることもある。
経口薬投与の場合は、以下について1日1回投与する。服用量は検査結果に応じて変 更する。
①αリポ酸100~300mg
②スルフォラファン15~30mg<ブロッコリー抽出物>
③セレン<セレノメチオニン>、亜鉛、モリブデンを含むマルチミネラル
④マルチビタミン(メチルコバラミンとP-5-Pを含む複合ビタミン)
⑤ビタミンC1g(吸収がゆっくりなタイプ)
⑥ビタミンE(ガンマ-トコフェロール300mg含む)
⑦アミノ酸(グリシン、アルギニンなど含む)
(2)心肺運動連続肺活量測定
解毒治療が奏功しているかについての評価法として、尿検査だけではなく、心肺運動 をさせて肺活量を測定する。
心拍数は、運動をすると上がっていく(上のライン)。
体内酸素濃度も測る。血中に 毒素があると酸素の有効利用がブロックされ、酸素有効利用率が上がらない(下のライン)。
治療後4週間で、グラフのような正常値になった。
4週間で酸素の使用量が30%も 増加したのは非常に劇的だ。
通常では、スポーツマンなどでもこのくらい改善するのに1年くらいかかる。
結論としては、グルタチオン、ビタミンB12(メチルB12)、ビタミンD3αリポ酸は、皆さんに とって重要なので、定期的に摂っていただく。
また、メラトニンは大脳にとっても非常に良い。