6.生化学的個人差
喫煙していても100歳を超えて元気で歩き回っている人がいる。
一方で、喫煙でが んになって死ぬ人もいる。
なぜ一部の人は長生きして、一部の人はがんなどで亡くなり、あるいはMCSにかかるのか。
この場合、遺伝子が大きな問題だと言われる。
しかし、遺伝子だけでは病気は発症し ない。
遺伝子のほかに環境が相互作用することによって初めて「あなた」という存在があるのだ。
つまり遺伝子の表現型が問題になるのだ。
だから、がんの本当 の研究は遺伝子だけでなく環境も考えなければならない。
3分の1ぐらいは遺伝子、3分の2は環境によってトリガーがかかっていると考えなければならないと 思う。
もちろん皆さんは、両親から遺伝した一種のプログラムを持っている。
しかし、環境 の中でそのプログラムが何をするかというのが問題なのだ。
アレルゲンである花粉や食物に対して、また、毎日3万種の新たな物質が入ってくる環境に対して、 どう反応するかが問題だ。
だから、同じ遺伝子であっても、人によって発症したりしなかったり、MCSを発症したりCFS(慢性疲労症候群)を発症したりす る。