・出展:ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議
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NEWS LETTER Vol.78
院内集会「無人ヘリによる農薬空中散布を考える」の報告
11月20日、国民会議は、ネオニコネットとの共催で、院内集会「無人ヘリによる農薬空中散布を考える ネオニコチノイド農薬の危険性から生態系と子どもを守ろう!」を開催した。
当日は、約30名が参加し、国会議員2名、議員秘書2名が出席した。
●橘高真佐美さん(国民会議)
無人ヘリによる農薬空中散布は、低空から高濃度で行われるにもかかわらず、法的な規制が全くない状態だ。
農水省農蚕園芸局長は無人ヘリコプター利用技術指導指針という通知を出しているが、法的な拘束力はなく、無人ヘリのオペレータや防除の主体に自主的な取り組みを期待することしかできない。
しかし、無人ヘリコプターにより散布された農薬が飛散し、近隣住民等への人体被害も発生している。
各都道府県の対応のみならず、国の抜本的な規制が必要だ。
●水野玲子さん(国民会議)
1990年頃から、無人ヘリによる農薬空中散布にネオニコチノイド系農薬が使用されるようになり、2011年の散布面積9. 7万haにも及ぶ。
ネオニコチノイド系農薬は、無人ヘリでの散布の場合には、地上散布の100倍以上濃い濃度で散布されている。
しかし、この農薬は、すでに蜂群崩壊症候群(CDC)の原因物質との科学的証拠が集まり、人体被害も報告されている。
日本の規制は緩く、規制強化などの対策が必要だ。
●辻万千子さん(反農薬東京グループ)
無人ヘリは1980年から国の補助金で開発され、2008年までは無人ヘリの導入に国の補助金が出されてきた。
そのため、無人ヘリによる病害虫防除は年々増加してきた。
また、林野庁は、松枯れ対策にも農薬空中散布が効果的だと主張して、その効果について十分な検討も行わないままに補助金をつけて無人ヘリ散布を推進してきた。
しかし、反農薬東京グループの調査では無人ヘリに院内集会「無人ヘリによる農薬空中散布を考える」の報告よる事故が2007年から2010年までに97件も発生している。
無人ヘリでの農薬空中散布による健康被害も懸念される。
行政は、住宅地等から20m離して無人ヘリ散布を行うよう指導しているが、これでは不十分だ。
反農薬東京グループは、農水・環境省通知「住宅地等における農薬使用について」に関し、住宅地周辺での無人ヘリの農薬散布・使用禁止、複数機の無人ヘリによる地域一斉散布への規制制定を求めているが、農水・環境省からは対策への前向きな回答は得られていない。
●村山隆さん(信州上田・里山保全ヤマンバの会)
長野県は、上田市で空散中止を実現させた健康被害者からの要望を受けて、平成21年に松くい虫防除のための農薬空中散布を再び議論するために「有人ヘリ松くい虫防除検討部会」を設置した。
しかし、この部会は初めから空散ありきで、松でない紅葉樹木群を撮影した効果写真や、伐倒駆除の効果を隠した効果試験データを採用するなど、空中散布の効果を恣意的に操作しようとした。
結局、空中散布見直し論に押され、平成23年11月の最終報告書は、空中散布をしないという選択肢もあることを認めた。
その点では前進だが、実施するか否かの判断を市町村に委ねられたため、空中散布推進派と反対派との不幸な対立が発生した。
ヤマンバの会は20年前、里山の老松が枯れたため自治体に調査依頼したが、職員は「枯死原因がマツノザイセンチュウでないという結果が出ると補助金がもらえないので調査はしない」と回答した。
空散は、松枯れの原因が松くい虫であるという診断がないままに実施されているので、“松くい虫”ではなく補助金漬けの“金くい虫”だ。
昭和52年の「松くい虫防除特別措置法」制定時、空中散布の効果資料の捏造が発覚したのにもかかわらず、法律は無傷で今に継続している。
空散の効果問題は、原点に立ち返って再考することが非常に重要だ。 (報告:広報委員 粟谷しのぶ)
runより:やはりヘリ散布は無差別テロだと思う。
今年は扱う人が亡くなられましたね。
地道に人が撒く方がまだマシだと思う、日本でヘリ散布は危険過ぎるよ。