中略:6.今後の検討課題
航空防除農薬による健康影響評価において今後検討すべき事項として、以下のことが考えられる。
① 航空防除農薬の経口曝露及び吸入曝露による無毒性量の比の検討
② オキソン体等有機リン系農薬の一般環境中における変化物の気中濃度の調査
③ 気中農薬の挙動と逆転層の関連等を踏まえた気中農薬のより適切な測定方法の検討
④ 気中濃度の測定事例が少ない農薬についてのモニタリングの充実
⑤ 感受性の高い人々、とりわけ子供の感受性(子供と成人の感受性の差や子供のときの曝露が成人後に及ぼす影響等)の検討
⑥ 内分泌攪乱作用等の新たな毒性の評価の必要性についての検討
7.おわりに
本検討会では、航空防除農薬のうち評価のための知見が比較的十分と考えられる10農薬について、散布地周辺の地域住民の健康への影響に対する現時点の評価をとりまとめることを目的に、1年余りにわたって検討を重ねてきた。
その結果、各農薬の平均気中濃度は、おおむね気中濃度評価値を下回っており、問題となるようなレベルのものではなかった。
なお、今回の気中濃度の評価結果にかかわらず、航空防除の実施に当たっては、特に生活環境や自然環境への影響に配慮するとともに、化学物質に感受性の高い人々が存在する可能性があるとの指摘もあり、これまでの危被害防止対策の一層の徹底を図ることや、あらかじめ保健所、病院等に防除の実施日時、使用薬剤の種類等を連絡するなど、万一被害が発生した場合に的確な対応措置がとれるよう、地域医療機関への周知徹底を図ることが必要であることは言うまでもない。
今回の検討では、一部の農薬で気中濃度の実測データの数が限られていること、航空防除農薬の人の健康への影響について現時点でなお評価が困難な要因が残されていること等、今後の調査・研究が必要な事項があることが明らかになった。
今後も引き続き必要な調査・研究が進められ、より実態を反映した気中濃度評価値が設定されるとともに、本報告書が適正な航空防除の実施に資することを希望する。
runより:今までのこういう資料では無かった部分に
⑤ 感受性の高い人々、とりわけ子供の感受性(子供と成人の感受性の差や子供のときの曝露が成人後に及ぼす影響等)の検討
⑥ 内分泌攪乱作用等の新たな毒性の評価の必要性についての検討
があります。
これは大きな前進ですが次に掲載するメンバーを見ると納得すると思います。