④ 大気中における農薬の挙動
我が国の航空防除では、ヘリコプターの利用に加え、ブーム・ノズルの改良、剤型の工夫、上昇気流の少ない早朝の実施等の理由から、ドリフトによる農薬の飛散は少なく、粒径100μm以上の農薬粒子は速やかに散布区域内に落下するが、細かい粒子及びガス状の農薬の一部は風等により散布区域外へも飛散することがある(図省略)。
農薬の気中濃度は、散布開始とともに上昇し、散布中又は散布直後にピークを示した後、徐々に希釈減衰するパターンを示す。
また、蒸気圧の高い農薬では日中にも揮発による濃度のピークが認められるほか、上空に逆転層が形成される場合など農薬の上昇・拡散が阻害される気象条件下では、夜間にピークが現れることがある。
なお、降雨があると農薬がウォッシュアウトされるため、気中濃度が急激に低下し、それ以降検出されないことが多い。
図風速と粒径及び飛散距離の関係
⑤ 航空防除農薬散布時の気中濃度
航空防除農薬のうち主なものを対象として、これまで環境庁、都道府県、(社)農林水産航空協会等によって実施された航空防除農薬の気中濃度の実態調査結果を収集し、一覧表にとりまとめたものを巻末に付した(参考資料3)。