食品中のフラン3 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・(3) 欧州食品安全機関(EFSA)
EFSA は、FDA が2004(H16)年5 月の調査結果において、加熱を伴う加工処理をした多くの食品中にフランが確認されたと公表したことを受け、2004(H16)年9月に科学パネルに対して作業部会を設置し、フランの生成、暴露、毒性及び分析方法などの情報を収集し、比較的短期間で初期レポートを作成するよう要請しました5 )。

加盟国により収集された食品及び飲料中のフランに関するデータを基に、
2009(H21)年6 月に、食品中のフラン濃度モニタリング結果に関する科学的報告書を公表しました。
報告書によると、フランはビール、果実ジュース、穀物製品、食肉製品、ソース、瓶詰ベビーフード、乳児用調製乳、コーヒーなど、多様な加熱処理食品中に生成すると結論づけられており、特に、焙煎コーヒー豆に多く含まれている(4,895μg/kg)ことがわかりました。

しかし、食事の前に家庭内で調理することによる各種食品におけるフラン含有量に対する影響、並びに調理後の取扱いによる影響に関して、引き続き調査が必要であるとしています1 1)。
さらに2009(H21)年10 月に、家庭調理食品及び非加熱喫食調理済食品※などの加熱加工食品中のフランに関して報告書を公表し、家庭調理食品中のフランの生成、並びに食品の調理中や保存中及び再加熱中におけるフランの安定性について報告しています。

この報告書によると、こんがりと焼いたパンやフライドポテトなど、炭水化物が多く含まれている家庭調理食品がフランを生成する可能性が最も高く、その濃度は焦げ加減と相関関係があること、フランを含む缶詰食材を家
庭で再調理したところ、加熱調理によって当該食品中のフラン濃度がフランの蒸発により半減することが明らかにされています 1 2 )。
また、2009(H21)年12 月には、「加熱加工食品及び台所の空気中からのフラン暴露」を公表しています。

この調査では、成人におけるフラン暴露の主因は、コーヒーで、次がこんがりと焼いたパンであることが報告されています。

また、台所の空気からの暴露については、フレンチ・プレス※ でコーヒーを入れたり、フライパン等でポテトを揚げたり、オーブンで食品を焼く時に最も高濃度のフランを吸入すると報告されています1 3)。
2010(H22)年8 月には、2004(H16)年~ 2009(H21)年に加盟国から収集された4,186 の食品及び飲料サンプル中のフラン濃度モニタリング結果をまとめて公表しました。

その中で、コーヒー中のフラン濃度が最も高く、平均濃度は製品の種類によって異なり、インスタントコーヒーで602 μg/kg、焙煎コーヒー豆で3,611
μg/kg であったこと、コーヒー以外の食品群における平均濃度は、「乳児用調製乳」の3.2 μg/kg から一部の「ベビーフード」の40 μg/kg の範囲であったこと、コーヒー以外の食品の最大値は、「ベビーフード」の224 μg/kg 及び「スープ類」の225μg/kg であったこと、最大値が100 μg/kg を超えるフラン濃度が穀類製品、魚類製品、肉製品、並びに、スープ類の一部の製品に見られたことが報告されています。1 4 )

(4)カナダ保健省(Health Canada)
カナダでは、2004(H16)年10 月に「食品中のフラン」についてファクトシート
を公表し、その後2010(H22)年4 月に更新しました。

その中で、フランが加熱調理された食品中に検出される問題について、カナダ保健省は、国際機関等と並行して研究・調査を進めていること、カナダ保健省の科学者は食品中にフランが生じる過程は一つではなく、複数存在する( 多価不飽和脂肪酸の酸化、アスコルビン酸誘導体※ の分解、種々の炭水化物源からの生成など) ことを説明しているほか、現時点での情報からは、カナダ人が食習慣を変える必要性はないと助言しています1 5 ) 。