大気中超微小粒子(ナノ粒子)と心疾患 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・出展;国立環境研究所
http://www.nies.go.jp/index-j.html
【環境問題基礎知識】
大気中超微小粒子(ナノ粒子)と心疾患
鈴木 明

はじめに

最近,50nmより小さい超微小粒子(ナノ粒子)が大気中に浮遊していることが判明しました。

このナノ粒子の環境中の分布を解析すると,健康影響の少ないように改良あるいは開発してきたディーゼルエンジンから発生していることが分かりました。

こうしたナノ粒子は,呼吸の時に肺の細胞の隙間やガス交換にまぎれて体内に入り易く,健康影響を引き起こす可能性が高いことから,迅速な健康影響の解明が求められています。

ここでは,ナノ粒子の概念とナノ粒子を多く含むディーゼル排気粒子の心臓への影響について説明します。


ナノ粒子とは

それではナノ粒子とはどの位の大きさなのでしょうか?50nmよりも小さい超微小粒子と書きましたが,1nm(1ナノメートル)は10億分の1メートルと決まっていますので,50nmの大きさの物でもあまりにも小さくて,光学顕微鏡では見ることができず,電子顕微鏡やX線を使用した装置で見るしかありません。

生物学的には小型のウイルスの大きさになります。

しかし,大きさの実感をつかむことは難しいと考えられます。

そこで,図1に地球の大きさ(直径)を1mと仮定して1nmの粒子の大きさを模式的に描いてみました。

地球の赤道周りの直径は約12,750kmですので,その10億分の1は12.75mmとなり,小さめのビー玉にほぼ近い大きさになります。

そこで,我々の体で相対的に考えますと,外界の刺激から体内の環境を守る皮膚の細胞と細胞の隙間は約51cmと計算され(実際には40nm),直径約7ミクロン(1ミクロンは1000分の1ミリ)の赤血球は直径89.25mの巨大な円盤となります。

したがって,20~30nmの粒子は,25.5~38.3cmの大きさに相当するので,約51cmと計算される皮膚の細胞の隙間に入りこむことができ,美容の世界でその大きさの粒子の応用が考えられています。

また,工業の世界では,ナノサイズの材料を使用した様々な分野への応用が研究されており,ナノテクノロジーと言われるようになりました。


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図1 1ナノメートル粒子の大きさ(地球の大きさと比較してみよう)(拡大表示)

2004年に開かれた欧州ナノセイフティー会議では,ナノテクノロジーの発達に伴うナノ粒子の健康影響を考慮して,従来ウルトラファイン粒子( 超微粒子) と言っていた100nm以下の大きさの粒子をナノ粒子と定義しました。

しかし,国立環境研究所と日本の自動車工業会では,大気環境中の浮遊粒子の大きさやエンジン排気粒子の大きさを考慮して50nm以下の粒子をナノ粒子と呼ぶことにしました。