・N95微粒子用マスクの放射性微粒子からの保護に関するQ&A
No. Question Answers
1 N95微粒子用マスクとは?
米国労働安全衛生研究所(NIOSH)が認定した規格で、直径 0.3 μmの粒子を、95%以上の捕集効率を持つ呼吸保護具です。
N95規格ではもっとも捕集しにくい(マスクを通過しやすい)径の粒子で試験を行うこととなっており、直径0.3μmの粒子はもっとも捕集しにくいことが知られています。
2N95微粒子用マスクで放射性微粒子を捕集する効果ありますか?
放射性微粒子を捕集する効果はあります。
しかしながら、放射線そのものやガス状の放射性物質には効果はありません。
防護マスク、防じんマスクを正しく着用することで、放射性微粒子の吸入防止に一定の効果が得られます。
N95(もしくはDS2)以上を推奨します。
3TVやメディアで伝えられているマスクとは?
震災時に発生する空気中有害物質を考えると防護マスク、防じんマスクと考えられます。
4 サージカルマスクは効果はありますか?
サージカルマスクの機能は、それを着用するスタッフの呼気中に含まれ排出される微生物などから患者を守ることにあります。顔面への密着性がN95微粒子用マスクと大きく異なりますので、大気中に浮遊している放射性微粒子の捕集には大きな効果は期待できません。
5捕集した放射性微粒子は離脱する可能性はありますか?
物理的な刺激(叩く、エアブローする等)などを行わなければ離脱する事はありません。
しかしながらヨウ素は昇華し気体化(ガス化)する場合が有ります。
6弁つきN95微粒子用マスクは使用可能ですか?
可能です。
排気弁付きN95微粒子用マスクはマスク内の湿度を排出し、呼吸のしやすさの確保、快適性向上が期待できます。
7通常より高いレベルで放射性微粒子で汚染された患者への処置等を行う場合、どのような保護具が適していますか?
放射性微粒子吸引のリスクを低減するために、N100およびN95微粒子用マスクの使用をお勧めします。
また、より被曝のリスクが高いケースではゴーグルの装着や3M?化学防護服4560の着用もご検討下さい。
8N95微粒子用マスクは子どもや高齢者も装着してよいものでしょうか?
N95微粒子用マスクは、医療従事者ならびに一般産業で粒子状物質から呼吸保護を必要とする労働者のために設計されています。
また米国ではNexcareブランドでFDA(米国食品医薬品局)から一般消費者向け販売の認可を受けています。
お子様の着用は、適切な装着が得られないためお止めください。
また、肺や気管支系の疾患、心疾患等がある場合、着用によって呼吸が苦しくなることがあります。
着用前に必ず医師にご相談ください。
ご高齢の方に関しましては、前述の原疾患の有無をご確認いただき、本品の装着の可否につきまして、ご検討いただきますようお願いいたします。
9表面に付着した放射性微粒子に触った場合はどのように対処すればよろしいでしょうか?
外した後や不織布表面に触れた場合は、しっかりと手洗いを実施してください。
独立行政法人 放射線医学総合研究所のウェブサイトをご参照ください。
http://www.nirs.go.jp/index.html
10 マスクは何時間程度使用可ですか? 特に目安はありません。
安全な場所に行くまで装着しつつづけてください。
11 マスクの再使用は出来ますか? 危険です。
再使用は絶対に止めてください。
12マスクをはずすときの注意点はありますか?
災害対応者や医療従事者の方々は、空気感染の感染症と同じように不織布部分は触れないようにして、安全な場所で外してください。
一般消費者の方は、家屋の中に入る前に外してください。
絶対に家屋の中に持ち込まないでください。
使用済みマスクの廃棄方法について教え
てください。使用されたマスクは放射性微粒子が付着している可能性が有ります。
①念のため、使用後はすみやかに、表面に触れないようにビニール袋に入れて口を閉じてください。
②さらに、内部にビニール袋を設置した足踏み式の蓋付きゴミ箱等に廃棄して下さい。
③ゴミ箱は、二次暴露を防止する目的で人の居る場所から1~2m程度離して保管してください。