・人間での研究
過度の被ばく後の、発達中の人脳に対するメチル水銀の荒廃的な影響は大規模中毒で悲劇的に証明された。
1950 年代に日本の水俣湾で、住民は湾内の工場排水からのメチル水銀で汚染された魚を頻繁に摂取していた。
1950年代後期に生まれた幼児には、精神遅滞や歩行と会話・吸うことや飲み込みの障害、異常反射など特徴的な神経所見を示した。22
影響を受けた母親は、水銀中毒の兆候を示さないことが多かった。
イラクで起きた別の大規模中毒は 1979 年に、住民が有機水銀殺菌剤で処理された種として使う目的の穀物でパンを焼いた時、イラク住民に起きた、別の大規模中毒が 1979 年代にイラクで起きた。
水俣とは異なり、これは慢性中毒と言うよりは急性中毒であった。
症状は 2 つの場合似ていたが、成人の視覚障害はイラクよりひどく、数例の実際の盲目を伴った23。
メチル水銀の出生前被ばくによる重要な影響は、歩行学習の遅れと痙攣の発生増加を伴った精神運動遅滞であった。
母親の毛髪水銀レベルを出生前被ばくの尺度として用い、精神運動遅滞に対する最少毒性レベル(LOAEL)は、母親の毛髪水銀レベルが 10-20ppm の時起こったと研究者は算出した。
母 24親の毛髪水銀レベルは、妊娠中の胎児の水銀被ばくのかなり正確な指標であると考えられている。
ツナサンドイッチの中にどの位の水銀が?
環境で被ばくする化学物質に対する「安全」基準量 reference doses を設定している。
これらのレベルを翻訳するのは困難であるが、私たちの日々の生活に意味がある情報の中にマイクログラムとppmで表現されている。
例えば、私がツナサンドを食べるたびにどの位の水銀に被ばくするか、どうすれば私は決定できるだろうか?換算と略語に関する基本的な一部の情報は、どの位多くの化学物質に被ばくするか決定するのに役立つだろう。
被ばくを決定する最初の段階は、様々な尺度を同等の単位に変換することである。
米国では、私たちは体重をポンドへ、また食べる食品量をオンスで表現することが多い。
しかし、環境中濃度と被ばくは、普通、メートル法(グラム、キログラム)を使って計算される。次の換算に注意すること。
? 1 キログラム (kg) = 2.2 ポンド (lb)
? 1 ポンド = 16 オンス = 454 グラム
? 1 オンス = 28 グラム (g)
私たちは非常に少量の化学物質被ばくを心配することが多いので、グラム(g)のわずかな部分を現す、次の単位尺度を知ると役に立つ。
? ミリグラム (mg) = 1/1000 g (千分の1)
? マイクログラム (μg あるいはマイクロg) = 1/1,000,000 g (百万分の1)
? ナノグラム (ng) = 1/1,000,000,000 g (十億分の1)
? ピコグラム (pg) = 1/1,000,000,000,000 g (1兆分の1)
例えば、1グラムには1000ミリグラムあり、1 グラム中には100 万マイクログラムある。
私たちは一般に、空気や水・食品のような別な媒体内に含まれている化学物質に被ばくする。
被ばくを計算するために、私たちは最初に濃度あるいは私たちが飲む水や食べる食品中に含まれている化学物質量を計算しなければならない。
例えば、1 グラムの魚が平均で 1 マイクログラム(μ g)の水銀を含んでいれば、私たちは濃度を 1 マイクログラム/グラムと表現する。
1グラム中に 100 万マイクログラムあるから、濃度の別の表現法は百万分の 1 あるいは 1 ppmである。次の表は換算の概略である。
? g/kg = mg/g = 千分の1 = 1/1000
? mg/kg = μg/g = 百万分の1 = ppm (1/1,000,000)
? μg/kg = ng/gm = 10 億分の1 = ppb (1/1,000,000,000)
? ng/kg = ピコg/g = 1兆分の1 = ppt (1/1,000,000,000,000)