職場の危険:次亜塩素酸ナトリウム3 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・トイレ清掃作業中にタイル洗浄剤とトイレ洗浄剤を併用したため塩素ガスが発生し、作業者が被災した事例


A産業は、食料品を製造しており、専従の掃除婦1名(被災者)は、パートタイマーとして2日前に雇用され、通路、階段、洗面所、工場、経理・営業部門のトイレ等の清掃を担当していた。
 被災者は、災害発生当日、これまでに清掃していなかった経理・営業部門のトイレの清掃を行ったが、清掃作業中、男子用トイレの便器の一部の汚れが著しいことに気付き、その部分には、これまでのトイレ清掃作業に使用していたタイル洗浄剤を吹付けた後、トイレ洗浄剤も散布し、スポンジたわしで汚れを落とす作業を行った。
 しばらくして被災者は、異臭に気付き、涙が出るなど苦しくなり、トイレの窓を開けたものの我慢して作業を継続したが、15分間程度で男子用トイレの清掃の終了後、胸が痛み、吐き気がし、咳が出て、一時呼吸困難な状態となった。
 タイル洗浄剤は、アルカリ性で次亜塩素酸3.6%を含有し、トイレ洗浄剤は塩素9.5%を含用し、酸性である。災害発生時の使用量は、被災者の記憶にもとづき、容器を計量し、推定したところによると、タイル洗浄剤200ml、トイレ洗浄剤180mlであった。
 被災者は、ゴム手袋は使用していたものの、呼吸用保護具は使用していなかった。また、タイル洗浄剤、トイレ洗浄剤の使用に関して、有害ガスが発生する恐れがあること等について、事業者から教育は受けていなかった。
 なお、タイル洗浄剤には、「当商品は次亜塩素酸ナトリウムを含むアルカリ性洗浄剤です。酸性の商品(浴室用・トイレ用の酸性洗浄剤や消臭剤など)と混合すると塩素ガスを発生し危険ですので一緒に使用しないでください」とトイレ洗浄剤には、「塩素系漂白剤又は次亜塩素酸ナトリウム等の塩素化合物を含有する洗浄剤と併用しないで下さい」と注意書が表示されていた。


[1] タイル洗浄剤とトイレ洗浄剤を併用したため、それぞれの成分である次亜塩素酸ナトリウムと塩酸が化学反応し、塩素ガスが発生し、それを被災者が吸入したこと。
[2] 事業者が、事前に十分な労働衛生教育を行わなかったため、被災者がタイル洗浄剤、トイレ洗浄剤の併用による塩素ガスの発生及びその有害性を認識せずに作業を行い、塩素ガス発生後も、一時的な退避、十分な換気等を行わず作業を継続したこと。


[1] 汚れをよく落とそうとして、次亜塩素酸ナトリウムを他の薬剤と併用したり、混合したりしないこと。特に、塩酸、蓚酸等の酸の併用、混合を行わないこと。
[2] 次亜塩素酸ナトリウムは、単に散布するだけでも若干塩素が発生することがあるので、換気を十分に行い、場合によっては防毒マスク(ハロゲンガス用)を使用する等の措置を講じること。
 特に、トイレ、浴場等の自然換気が悪い場所では留意すること。
[3] 作業中誤って塩素ガスが大量に発生した場合、直ちに使用を中止し、一時退避等を行うこと。
[4] 事業者は、塩素ガスの有害性及び[1]、[2]、[3]等の対策について事前に作業者に対して十分に教育を行うこと。
[5] 次亜塩素酸ナトリウムと酸を同じ所に保管しておくときは、混合して使用することがないように区別しておくこと。

runより:表を見たら分かりますがppmレベルでこうなります。