ドイツ・EUでのミツバチ被害の実態2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・ドイツ・EUでのミツバチ被害の実態
ウォルター・ヘフェカー氏
(養蜂家・ヨーロッパ職業的養蜂家連盟代表)
 序説として、まず写真が写され説明があった。

ドイツにおけるミツバチ群の死滅の場面を映した写真がパワーポイントで示され、それについての報告がなされた。
 原因となる殺虫剤としてポンチョが挙げられ、種子処理されて赤くなったトウモロコシ、それの動力種まきに伴う土埃の発生、土壌汚染の実態が示された。
 JKI(ジュリアス・キューン施設)は同地方から採取された蜂の死骸からクロチアニヂンが見つかったことを確認した。

その結果、養蜂家は種子処理に問題があることを証明する証拠を得ることができた。
 しかし、それを受けた公式発表では、問題は一部の下請け業者がたまたま種子処理をうまく行えなかった所にあるということになった。しかしその種子も業者も示されないままになった。

さらに、汚染は粉塵によって広がったのだとされ、それ以外の汚染の経路については触れられなかった。
 怒った養蜂家たちは膨大な証拠を提示し、大規模なデモを組織することになった。

それが、2008年5月15日、8項の種子処理の認可を取り消させることになった。
 ところが1週間後、粉塵仮説が採用されなかったために、今度はクロチアニジンの菜種への使用が再び認可されることになった。
 養蜂家は他の汚染経路が認可の決定にあたって無視されているとして抗議した。
 公式発表では被害の原因は次のようなものであった。
 ①種子処理のやり方の間違い。
 ②器具の設計ミス。
 ③農家の作業ミス。
 バイエル社と認可プロセスに問題はないとされた。

すべて農家側に責任をなすりつけたものばかりである。
 さらに業界は、種子処理剤はハチには安全であると主張した。地表下10cmで採餌行動はしないからという奇妙な理由である。
 これに対し、ドイツの養蜂家たちは、ハチが種子処理剤に暴露する5つの経路を示して反論した。
 ①種子処理剤を含んだ粉塵は種まきの過程で生ずる。
 ②地表に落ちた種子処理剤を含んだ種子は水たまりの水を汚染する。
 ③畑にまかれた種子は雨が強いと洗われ、種子の表面を覆う処理剤が雨水に溶け出す。
 ④種子処理剤は草木の花の花粉と花蜜から検出される。
 ⑤多くの植物の露様の水滴から高濃度の種子処理剤が見つかる。
 結論を言うと、殺虫剤使用は全面的に限りなくゼロに近づけなければならないことになる。

(ドイツ政府当局は害虫である「西洋トウモロコシ根切り虫」に対する免疫策としてEUがPonchoPro の使用を義務化したと言っていたが、実際は、EUは輪作を選択肢として推奨していたのである。)

 ドイツ当局及び公的に資金援助されている科学者たちは、自分たちの任務は国民を護ることであることを肝に銘ずべきである。

それは環境と養蜂家を護ることであり、多国籍企業を護ることではないはずである。
 最後に、ミツバチだけでなくその他の野生の蜂類も消滅に向かっており、このことは農業への測り知れない影響だけでなく、植物の多様性、さらに地方の風景までも変えることが危惧される段階に至ろうとしている。
 公的な資金援助を受けている機関からの養蜂家への支援は、「見ざる、聞かざる、言わざる」などであってはならないはずである。
         (報告:養蜂家・久志富士夫)