・遊び場
遊び場の木製遊具は通常、ペンタクロロフェノール(PCP)やクロム・銅・ヒ素の混合物であるクロム化ヒ酸銅(CCA)・あるいはクレオソートのような木材保存農薬で処理されています。
ヒ素は人間の発癌物質として知られており、PCPは人間の発癌物質の可能性があると分類されています。
クレオソートは日本でも公園の遊具や家屋の板壁などによく使用されていますが、クレオソートは200種類以上の化学物質の混合物で、米国環境保護局では人間に対して発癌性の可能性が高い物質としてリストにあげています。
子どもが木に上ったり触れたりした場合、皮膚を通して木材保存剤を吸収することがあります。
子どもは手を口に入れた場合や近くの汚染された泥や砂を口に入れた場合、保存剤を飲み込むでしょう。
検出できる量のヒ素やPCPが、防腐処理された木材構造物から、特にシーラントがない場合出てくることが、いくつかの研究で報告されています。クレオソートのような揮発性成分を含む場合は、その臭いがかなり離れていても漂ってきます。
これはクレオソートの成分を吸入していることを示しています。
農薬空中散布
稲作地帯では、水田の病害虫防除のために抗生物質を含む殺菌剤や殺虫剤が散布されています。
日本の水田は人家と混在しています。
そこにヘリコプターで散布するために、通学道路や家屋敷などは多量の農薬で汚染されます。
最近は、飛散を防げると称してラジコンヘリコプターによる散布も行われています。
ラジコンヘリコプターを使った散布でも、周辺への農薬汚染は有人ヘリコプターで散布した場合と大きな差がないことが分かっています。
岐阜市では、反対運動によってラジコンヘリコプターによる農薬散布が中止になっています。
水田以外に、松枯れ対策と称して松くい虫防除の空中散布がされています。
松枯れの原因については、マツノザイセンチュウであるとする説、酸性雨であるとする説、真菌類が原因であるとする説など様々です。
さらに、空中散布による防除効果にも疑問がもたれています。
現在は、枯れた松を伐採し、搬出し、焼却やチップとして利用することが最適であると多くの人は考えています。
松くい虫の防除の空中散布では数キロメートルも農薬が飛散することが知られています。
空中散布を止めて、地上散布を実施した場合でも、松林周辺の広い地域に農薬が飛散したことが報告されています。
農薬は農場という特殊な生態系で作物を守るために設計された化学物質です。
これを、複雑な構成員を持つ森林生態系に適用するというのは、蛮行としかいいようがありません。
松くい虫防除に使われてきたNACはホルモン撹乱作用があると疑われています。
現在NACは生産業者の「自主的な」生産中止により使われていません。NACには発癌性や生殖毒性が疑われており、安全性を証明するデータを生産業者が出せなかったためではないかといわれています。