農薬被爆経路2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・農業地帯での居住
 
日本の農業地帯
 
有機燐系農薬は速やかに代謝され、蓄積性はないあるいは少ないとされているが、散布作業後、有機燐系農薬は尿中から速やかに排出されるが、代謝物は尿中に1週間以上排泄され続けることが知られている。
 
富山県衛生研究所の中崎らのグループ(*)は、富山県の農村及びその近くに住む女性4例(有機農法農家主婦、同一世帯女性、教員、公務員)で、尿中の有機燐系農薬代謝物を長期間調べた。
 
これらの女性では、農薬散布作業をしていないが、4人の尿のほとんどのサンプルで農薬代謝物が検出され、農薬使用シーズンである夏から秋に濃度が上昇する傾向が見られた

尿中濃度は農薬散布に従事している人と比較して低かった。

農薬使用がされていないと思われる時期にも低レベルの農薬代謝物が検出されていた。
 
以上から、「農村地域では直接農薬散布に携わらなくても周辺の農作業による影響として農薬曝露を受けると考えられ」、「日常生活の中でも有機リン化合物に接する機会があると思われ、それらが長期間体内に止まっている可能性も考えられた」と結論を述べている。
 
* 中崎美峰子ほか、非散布作業者における有機リン系農薬の尿中代謝物追跡調査、日農医誌, 29(2000)142-145.
 
農業地帯でなくとも、住宅地で多量の農薬散布が行われている場合、農業地帯と同じあるいはさらに高度の被ばくを受ける可能性がある。