・シックハウス症候群
日本人女性の例である。
シロアリ駆除のために床下にハチクサンFLを撒布した。
散布日から室内で刺激臭を感じ、3日後より顔面から前胸部にかけて瀰漫性淡紅色斑及びまぶたの腫脹が生じた。
心悸亢進や不安感もを生じるようになった。
使用したシロアリ駆除剤,などのパッチテストは48時間後、72時間後ともに陰性であった。
心理的治療を行い、シロアリ駆除剤との接触を断つことにより症状は軽快した。
1ヵ月後,シロアリ駆除剤の異臭は消失し、心悸亢進や紅斑は消失した。
この症例はシロアリ駆除剤によるシックハウス症候群であったと診断した [3]。
ハチクサンFLは有効成分としてイミダクロプリドを含み、その他界面活性剤等からなるシロアリ駆除剤である。
亜急性毒性
チアクロプリドの90日間の亜急性投与実験で、ラットの雄(28.6 mg/kg/日)と雌(35.6 mg/kg/日)で体重減少が観られた。[9]
マウスの雌(27.2 mg/kg/日)でマウス副腎に特有なX帯の変化が見られ、雄では542.4 mg/kgで肝臓の肥大が観られた。[9]
慢性毒性
長期間餌にイミダクロプリドを混ぜてラットに投与した実験では、甲状腺に影響が見られた。
甲状腺に対する障害は17 mg/kg/日で見られた。
やや高い投与量では体重増加減少が、高い投与量では網膜の萎縮が 100 mg/kg/日で見られた [6]。
チアクロプリドの慢性投与によりラットの雄(2.5 mg/kg/日)で肝臓の肥大と細胞質の変化及び酵素活性亢進、甲状腺濾胞の肥大が観られ、雌(3.3 mg/kg/日)で眼の毒性(網膜萎縮)が見られた。[9]
チアクロプリドの発癌性は雄(甲状腺濾胞細胞腺腫)で見られ、雌でも子宮癌(腺癌)の発生率が増加した。[9]
チアクロプリド投与により雄(234.1mg/kg/日)と雌(475.3 mg/kg/日)でリンパ節の変化と雌で副腎X帯の空胞の増加が見られた。[9]
チアクロプリド投与により黄体腫(卵巣腫)の発生率増加が見られた。[9]