livedoorニュースより
http://news.livedoor.com/article/detail/4635640/
身近に忍び寄る化学物質に警鐘を鳴らす『ファブリーズはいらない』
商品の安全性を検証した『買ってはいけない』がベストセラーになり、消費者の意識に一石を投じてから早十年。
その後も「週刊金曜日」誌上をはじめ、危険な商品を告発し続けている科学ジャーナリストの渡辺雄二さんの最新刊が発売された。
不必要な化学物質に囲まれている現代人に、警告しつづける渡辺氏に話を伺った。
――最新刊のタイトルは、ずばり『ファブリーズはいらない』。衝撃的なタイトルです。
渡辺雄二氏(以下渡辺) これは私の著書『ヤマザキパンはなぜカビないか』『花王「アタック」はシャツを白く染める』(緑風出版)に続く、企業批判シリーズ第三弾です。
今回はファブリーズだけでなく、殺虫剤やくん煙剤、入浴剤などを取り上げています。
どれも、TVで大量にCMを流していますが、これらは本当に必要なものなのだろうかという疑問がありました。
必要ないどころか、むしろ害のあるものなんじゃないかと。だって化学物質を大量に含んでいるわけですから。
表題にもなっているファブリーズは、その象徴たる存在です。
――確かに、今まではファブリーズの安全性を考えずに、購入していたように思います。
渡辺 ファブリーズが対象としている「におい」は、汚れがついたり菌が発生したりすることによって発生するもの。
だから、衣類や布製品なら洗えば落ちるし、布団類は干せばいいんです。
ですが、ファブリーズでは汚れは落ちないので、根本的な解決にはなっていないのです。
除菌効果を謳っていますが、そもそも自然界にはあらゆる菌が存在し、人間の体内だって菌だらけなわけですから、菌を完全に排除するのは不可能。
また除菌作用があるのに、人体に害がないなんてことはあり得ないでしょう。
――具体的にファブリーズはどんな危険性があるのでしょうか。
渡辺 ファブリーズを使っていると、目が痛くなることがあるという声を耳にしました。
除菌成分として入っている第四級アンモニウム塩という化学物質が目に入ってしみているのです。
第四級アンモニウム塩を含む床用洗浄液を使った後で、アレルギー性ぜんそくが発症するに至った例も。
――宣伝ではいいところしかアピールされず、消費者は害の部分をなかなか知ることができません。
渡辺 もちろんそれもありますが、さらに危惧すべきは、成分表示がちゃんとされていないことです。
ファブリーズはCMで『トウモロコシ由来消臭成分』配合と謳っていますが、実際に除菌作用をしているのは、天然成分ではなく、化学物質です。
また除菌・消臭スプレーは、家庭用品品質表示法の対象外なので、洗濯用洗剤や台所洗剤のように詳細に成分を表示する必要はありません。
だから「除菌成分(有機系)」などという曖昧な表示で、第四級アンモニウム塩などの危険な成分が入っていることが多いのです。
でも、それを国の機関も把握していないのが問題でしょう。
成分に関してはメーカーの報告を鵜呑みにしているのが現状です。
これまでは業者を統括する立場にある厚生労働省が管轄省庁だったのでさもありなんでしたが、昨年、消費者を守る消費者庁に管轄が移行したので、基準などの改正で消費者のための、正確な表示がされることが期待されます。