職業的に感作されたラテックスアレルギー | 化学物質過敏症 runのブログ

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・一般演題
職業アレルギー
座長:赤澤  晃(国立成育医療センター総合診療部)

456.職業的に感作されたラテックスアレルギー患者に対して最も重要なアレルゲン蛋白は何か?

矢上晶子1) 加野尚生1) 松永佳世子1) 矢上 健2) 配島由二2) 土屋利江2) 船越達朗3)
藤田保健衛生大学 医学部 皮膚科1) 国立医薬品食品衛生研究所 療品部2) ファルマシア有限会社3)


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【目的】現在までに13種の蛋白質がラテックスアレルゲンとして正式に登録されている.

しかしそれらは,一様に感作の成立や症状の誘発に関わっているわけではない.

今回我々は,最重要だと考えられるアレルゲン蛋白を各精製抗原に対する患者血清中のIgE抗体の量を測定することにより調べた.

【方法】ラテックスアレルギー患者30人の血清をサンプルとし,rHev b1,2,3,5,6.01,6.02,8,9,11に対するIgE抗体をUniCAP特異IgEにより測定した.

またrHev b3,7,8,9.1,10,nHev b6.02に対するIgE抗体の量をELISAで検討した.

【結果】UniCAPではrHev b6.01とrHev b6.02に対するIgE抗体が最も頻繁に検出され,共に73%の患者がクラス2以上の抗体価を示した.

nHev b6.02を用いたELISAもこの結果を支持した.3番目の頻度でIgE抗体に認識された抗原はrHev b5であったが,クラス2以上の抗体価を示した患者は27%にすぎなかった.

【結論】日本国内で職業的に曝露されることにより感作されたと思われるラテックスアレルギー患者に対しては,Hev b6.02(ヘベイン)が最も重要なアレルゲン蛋白であると考えられる.

第54回日本アレルギー学会総会 2004年11月開催