・一般演題
即時型アレルギー
座長:横関博雄(東京医科歯科大学皮膚科)
254.全身麻酔下に扁桃摘出術を施行したラテックスアレルギーの1症例
名倉麻子1) 内藤健晴1) 齋藤正治1) 宮田 昌3) 堀部智子1) 伊藤周史4) 冨高晶子2) 松永佳世子2)
藤田保健衛生大学 医学部 耳鼻咽喉科1) 藤田保険衛生大学 医学部 皮膚科2) 県立愛知病院 耳鼻咽喉科3) 知多厚生病院 耳鼻咽喉科4)
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ラテックスアレルギーとは,天然ゴムに含有されている水溶性タンパク(ラテックス)に対する即時型アレルギーで,近年,感染防止の目的でゴム手袋の使用頻度が高い医療従事者を中心に増加しており,問題となってきている.
ラテックスアレルギーは装着部に留まらず,全身アナフィラキシーショックを起こすため,時に生命予後にかかわる.
またラテックスアレルギー患者は,クリやバナナなどの食物との交叉反応でアナフィラキシーショックを起こす可能性がある.
医療現場では,ラテックスが思わぬところで数多く使用されており,ラテックスアレルギー患者は診療の場で絶えずラテックスに曝露される危険性がある.
今回我々は,38歳女性のラテックスアレルギーを合併した難治性掌蹠膿疱症患者に,全身麻酔下で扁桃摘出術を安全に施行し得たので報告する.
術中及び術前後にラテックス製品を可能な限り排除し,また入院中の食事にも充分注意した結果,アレルギー症状をおこすことなく無事退院となった.
第52回日本アレルギー学会総会 2002年11月開催