用語集た行2 | 化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 電磁波過敏症 シックスクール問題を中心としたブログです

・鍛錬療法

小児の喘息患者は一般的に持久力などの体力が乏しく、自律神経が不安定で外界の変化に適応する能力が不十分である。鍛錬療法の目的は自立神経を鍛えて発作の起きにくい身体をつくることである。自律神経の鍛錬には、早寝早起き、薄着、乾布摩擦、水かぶりがある。これを実行することにより肺機能が改善する。体力の鍛錬には運動が中心になるが、運動誘発喘息が起きる場合には運動前に十分なウオーミングアップを取ること、運動前にインタールかβ2刺激薬の吸入を行う。水泳は多湿の環境下であるので運動誘発喘息が起きにくい。日頃から腹式呼吸とは排痰の練習をしておく。

チアノーゼ

血液中の酸素飽和度は低下すると、皮膚とくに唇色が青~紫色の状態をいう。酸素欠乏の症状として、他に呼吸困難、運動制限、意識障害がある。肺におけるガス交換の障害、心臓・血管系障害によるシャント、静脈系の還流障害などである。喘息発作に伴ってチアノーゼが見られるときは、重症の発作である。

窒素酸化物

自動車の排気ガスや工場の煤煙にはNO、NO2を主体とする窒素酸化物(NOX)が含まれている。一次生成物のNOが大気中でオゾン等により酸化されてNO2となり、さらに紫外線が関与して光化学スモッグが形成される。NO2や光化学スモッグは喘息の増悪させる。

遅発型喘息反応

喘息患者にアレルゲンの吸入誘発試験を行うと、吸入直後20分の即時型喘息反応に引き続いて、数時間後に再び気道の閉塞して1秒率が見られるとき遅発型喘息反応とよぶ。これは気道内のアレルギー炎症によるもので日常の喘息の状態を再現すると考えられる。喘息患者の気管支粘膜と同様に細胞浸潤、浮腫が起きる。この反応は気管支拡張薬の投与では十分抑制されず、抗炎症作用を持つステロイド薬やロイコトリエン拮抗薬の服用が抑制効果をもつ。

遅発型皮膚反応

アレルゲン皮膚試験を行うと、即時型皮膚反応が消退したあと数時間して再び発赤と浮腫、腫脹が出現することがある。この反応は、IgEを介して肥満細胞から放出された走化因子により好酸球やリンパ球が浸潤した炎症である。

遅延型皮膚反応

ツベルクリン皮内注射すると、その48時間をピークに発赤を伴った腫脹が出現する。この反応の主体は、ツベルクリン抗原に反応したリンパ球とマクロファージから成る細胞浸潤であり、Ⅳ型アレルギー(細胞性免疫)反応ともよばれる。これに類した病態は、金属アレルギーなど接触性皮膚炎におけるパッチテストなどでも見られる。

中高年喘息

成人の中高年喘息患者は、小児~青年期喘息に比し、アトピー型、軽症患者は少なく、非アトピー型で通年性の中等症~重症患者が多い。アレルギー皮膚テストは陰性が多く、血清IgE抗体価も特異的IgE抗体も陰性~低値である。小児喘息とは異なり発症や発作誘因にアレルギー以外の呼吸器感染、大気汚染、職場の環境汚染、心身の過労、ストレスなどが関係している。

中等症持続喘息

段階的薬物療法のステップ3に相当する。喘息症状が毎日あり、短時間作用性吸入β2刺激薬の頓用がほとんど毎日必要。日常生活や睡眠が妨げられるが週1回以上、夜間症状が週1回以上ある状態をいう。ピークフロー値は予測値あるいは自己最良値の60~80%、1日の変動率30%以上。この段階の治療は、長期管理薬として中用量の吸入ステロイドの連用に、テオフィリン徐放薬、長時間作用性の貼付/ 経口/吸入β2刺激薬、ロイコトリエン拮抗薬のいずれか、あるいは複数を併用し、Th2サイトカイン阻害薬の併用を考慮する。発作治療薬として短時間作用性気管支拡張薬を頓用する(1日3~4回まで)。

中発作

中発作は呼吸が苦しくて横になれないが、チアノーゼは無く意識状態も正常である。会話はやや困難、動作はトイレ、洗面所にかろうじて行ける程度。ピークフロー値は自己最良値の70~80%である。

長期管理薬(コントローラー)

喘息症状の軽減・消失とその維持および呼吸機能の正常化とその維持を図る薬剤を喘息長期管理薬という。これは、抗炎症薬と長時間作用性気管支拡張薬に分けられる。最強の抗炎症薬はステロイド薬であり、吸入、経口的に用いられる。次いでアレルギー性の抗炎症作用としてロイコトリエン拮抗薬、抗アレルギー薬(メディエーター遊離抑制薬、ヒスタミンH-1拮抗薬、Th2サイトカイン阻害薬、トロンボキサンA2阻害・拮抗薬、)がある。長時間作用性気管支拡張薬には長期作用性β2交感神経刺激薬とテオフィリン徐放薬がある。

治療点数

喘息の重症度は、症状の強さ、頻度、ピークフロー値、治療薬の種類と使用量によって判定されている。ピークフローは別として、症状と治療薬の内容は患者や医師の判断で行われるため客観性に乏しい。そこで、症状の強さと治療薬の種類と使用量に点数(スコア)を付け(点数化)し、それぞれを症状点数、治療点数として合計し、その総点数を重症度の判定の指標に役立てている。

鎮痛薬喘息

アスピリンなど非ステロイド性抗炎症性鎮痛薬(NSAID)を喘息患者が服用すると喘息発作を誘発する場合があり、とくにアスピリン喘息いうが、喘息患者の約10%がアスピリンに過敏である。他の酸性非ステロイド性抗炎症薬でも発作が誘発されことから鎮痛薬喘息とも呼ばれる。小児には少なく、患者の多くは30~40歳にかけて発症し、重症患者に多くみられる。慢性鼻炎、鼻茸を合併する率が高い。内服、注射のほか、座薬、貼付薬、塗布薬でも発作を誘発しうる。この患者のなかには、食用黄色4号(タートラジン)、安息香酸ナトリウム、パラベンなど食品添加物に対しても過敏性を持つことがある。これらの薬物は共通してアラキドン酸のシクロオキシゲナーゼ阻害作用を有しており、プロスタグランジン類の生合成阻害、ロイコトリエン類の生合成促進を介して喘息を誘発すると考えられている。鎮痛薬でも塩基性のNSAID、ペンタゾシン、モルヒネ、鎮痙薬は安全に使用できる。アセトアミノフェンは、通常使用量であれば安全に使える。

貼付薬

薬物を貼付基材に混合させて貼付し、薬物を皮膚から吸収させて効果を得る薬剤を貼付薬という。心臓の冠動脈拡張薬や各種ホルモン薬、禁煙用ニコチン薬などが市販されているが、喘息治療薬ではβ2交感神経刺激薬のツロブテロール貼付薬(ホクナリンテープ)が開発されている。基材に混入しているツロブテロール分子が徐々に貼付部の皮膚に吸収されるため、血中濃度の上昇が緩余なため、副作用が少なく、有効濃度が長時間維持(24時間)される。早朝発作(モーニングディップ)に対して有効性が高いことや経口や吸入投与ではないので小児患者に向いている。

ツベルクリン型アレルギー

遅延型アレルギー、Ⅳ型アレルギー(細胞性免疫)とも呼ばれる。結核感染者にツベルクリン液を皮内注射すると48時間をピークとする発赤、腫脹が出現する。リンパ球やマクロファージを主体とする単核球の集積が見られる反応で、接触性皮膚炎、過敏性肺炎などの発症機序と考えられる。

通年性喘息

季節を問わず、1年中喘息症状が認められる喘息をいう。これに対して、季節性喘息は好発季節(春、秋、梅雨期など)に喘息症状が出現する。

通年性鼻アレルギー

年中、くしゃみ、鼻汁、鼻閉など鼻アレルギー症状が見られる。アレルゲンはおもに室内塵、ダニ類で、スギなど各花粉症は季節性である。