・3.VOC発散低減化への具体策
ホルムアルデヒド発散低減化の具体策としては、使用する木質材料などの主材料や接着剤・塗料などの副資材を、全て新しい規格に定められたF☆☆☆☆クラスの材料に切り替えられ、加工仕上げがされている。
また、他のVOCであるトルエンやキシレンなどの発散を低減化するための具体策としては、建材や住宅設備の製造時に使う接着剤や塗料を、VOCを発散しない水溶性の製品に転換するなど、VOC発散量の低減化に努力している。家具業界も、VOC発散低減化に総力を挙げて取り組んでいる。
4.低減化対策後の効果
改正法の施行前後より、建材設備市場では、ホルムアルデヒドの発散量が最も少ないF☆☆☆☆クラスの製品への移行が進み、F☆☆☆以下の製品は殆ど流通していない。
一方、国土交通省では、室内空気中の化学物質濃度の実態調査を、平成12年度より継続的に実施してきている。
厚生労働省の室内濃度指針値を越える住宅は、年々減少傾向にあり、また、新築住宅におけるホルムアルデヒド濃度は低濃度側に分布している。(表1)
改正建築基準法の効果も大きく出ていることが見て取れる。
むすび
室内空気質汚染の主原因物質であるホルムアルデヒドの建材・住宅設備あるいは家具からの放散低減状況は、改正建築基準法による規制もあって、大幅に進展したといえる。
建材や家具から放散されると想定されるトルエン・キシレン・エチルベンゼン・スチレンも、VOC発散抑制に向け、無溶剤系の接着剤や塗料への転換が進んでいる。
いずれにしても、建材や家具から室内空気質の汚染源であるVOCを低減することは至上の命題であり、関係者のなお一層の努力を期待してやまない。