ホルムアルデヒド負荷テストで咳嗽を認めたシックハウス症候群の3例 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・一般演題
シックハウス
座長:中村陽一(横浜市立みなと赤十字病院・アレルギーセンター)

337.ホルムアルデヒド負荷テストで咳嗽を認めたシックハウス症候群の3例

木村五郎1) 岡田千春1) 平野 淳1) 宗田 良1) 戸田志保2) 春摘 誠3) 水内秀次3) 高橋 清1)
(独)国立病院機構 南岡山医療センター アレルギー科1) 同 皮膚科2) 同 小児科3)


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(目的)シックハウス症候群は,家屋に起因する健康障害であり,室内の揮発性有機化合物の濃度が室内濃度指針値以下で症状を訴えることも多い.

我々は,同意の得られたシックハウス症候群患者に,ホルムアルデヒドに対する過敏性の有無をみるため,指針値以下のホルムアルデヒドの負荷テストを行った.

(方法)室内の有機化合物の影響を避けるため,活性炭を用いて有機化合物濃度を低下させたテストブース内で,ホルムアルデヒドの指針値(100μg/m3)以下の50μg/m3の濃度で15分間入室し症状の出現を観察した.

(結果)3例で,低濃度ホルムアルデヒド負荷で咳嗽の出現を認めた.

ホルマリンRASTは,測定した2例では陰性であった.

いずれの症例も主訴は,咳嗽であったが,症状は咳のみでなく,全身倦怠感,頭痛,多種の臭いに敏感などの症状を伴っていた.

1秒率,肺活量は,いずれも正常であり,気道過敏性検査は,測定した2例では亢進していた.

有機化合物濃度を低下させた病室に入院した2例は,咳などの症状の改善が認められた.

(結語)慢性咳嗽を示す症例には,室内環境中の有機化合物に過敏な症例が含まれる可能性がある.

第17回日本アレルギー学会春季臨床大会 2005年6月開催