・一般演題
環境アレルギー,職業アレルギー,昆虫アレルギー
座長:中村陽一(横浜市立みなと赤十字病院アレルギー科)
P5-7-3.簡易式の揮発性有機化合物負荷試験装置による化学物質過敏症診断の試み―第2報―
河野徹也1), 中村陽一1), 矢部 彩1), 三村 尚1), 磯崎 淳1), 正田哲雄1), 川野 豊1), 西岡 清1), 足立 満2)
横浜市立みなと赤十字病院アレルギーセンター1), 昭和大学医学部呼吸器・アレルギー内科2)
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【目的】化学物質過敏症(MCS)の診断には揮発性有機化合物(VOC)による負荷試験が望ましいが,診療室全体を清浄空間に保ち室内VOCのモニター装置を備えたユニットは設置が難しい.
当施設の簡易式VOC負荷試験装置によるMCS診断の試みを第58回アレルギー学会秋季学術大会で紹介したが,追加症例を併せて再度報告する.
【対象】病歴と問診票よりMCSが疑われた15例(男性5例,女性10例,11-61歳)
【方法】簡易式クリーンルーム内で約1時間の待機後に厚生労働省が定める安全指針値濃度(0.08ppm)のホルムアルデヒド(FA)に30分間暴露した.
その前後で集中力テスト,粘膜刺激反応,自律神経機能等に関する検査を実施した.
1回目の試験結果で陽性の可能性がある場合は後日プラセボによる再試験を実施した.
【結果】15例中8例がFAで反応を呈しプラセボによる再検を実施したが,最終的に陽性と考えられたのは8例中5例であった.
【考察】同負荷試験を用いた最善のプロトコールを模索すると共に同装置の有用性の検証を継続する.
(本研究は平成21年度厚生労働科学研究費補助金健康安全・危機管理対策総合研究事業の一環として実施したものである)
第22回日本アレルギー学会春季臨床大会 2010年5月開催