総合アレルギー対策住宅の気道炎症改善効果 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・一般演題
化学物質過敏症2
座長:長谷川眞紀(国立病院機構相模原病院アレルギー・呼吸器科)

P-290.総合アレルギー対策住宅の気道炎症改善効果

土橋邦生1) 久田剛志2) 小河原はつ江1) 三田村輝章3) 清水泰生2) 宇津木光克2) 原澤浩毅4) 石塚 全2) 森 昌朋2) 村上博和1)
群馬大学医学部保健学科1) 群馬大学大学院病態制御内科学呼吸器・アレルギー内科2) 足利工業大学工学部建築学科3) ハラサワホーム株式会社4)


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【目的】喘息の症状悪化に抗原やPM10などの微粒子の吸入が大きく影響する.

これらを除去できる装置を備えた総合的アレルギー対策住宅が,居住者の気道炎症に与える影響につき検討したので報告する.

【方法】アレルギー対策住宅に転居する1ヵ月前,1ヵ月後,3ヵ月後に,喘息症状のない3組の居住者夫婦の呼気中NO濃度の測定を実施し,同時に住居内のダニ抗原の量も測定した.

どちらか一人は,喘息以外のアレルギー疾患を有していた.

【成績】アレルギー疾患を持つ3人とも呼気中NO濃度は,転居前後の1ヵ月において顕著な低下が見られた.

現在転居3か月後まで測定できた2人については,低値が持続していた.

1秒率が低下していた1人は,転居により67.6%から76.1%へと改善した.

室内のダニ量は,旧居で検出され,新居では検出されなかった.

【結論・考察】アレルギー対策住宅への転居により,NO濃度は顕著に低下した.

無症状でも気道炎症を有する喘息予備群が存在した.

環境整備により気道炎症を抑制できることが示され,その重要性が示唆された.

第20回日本アレルギー学会春季臨床大会 2008年6月開催