大気中化学物質の気道炎症に与える影響 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・一般演題
環境アレルギー,化学物質過敏症2
座長:中島宏昭(昭和大学横浜市北部病院呼吸器センター)

P50.大気中化学物質の気道炎症に与える影響

土橋邦生1) 清水泰生2) 小野昭浩2) 宇津木光克2) 小池陽子2) 砂長則明2) 柳谷典子2) 青木 悠2) 久田剛志2) 石塚 全2) 森 昌朋2)
群馬大学医学部保健学科1) 群馬大学大学院病態制御内科学呼吸器・アレルギー内科2)


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【目的】大気の汚染が,気道にどのような影響を与えるかについて,呼気凝縮装置を利用して,呼気凝集液を採取し,評価することを目的とした.

【方法】健常被験者に,交通量の多い前橋市の国道沿いおよび森林の中の川場村の遊歩道において,約2時間の散歩をおこなってもらった.

その歩行開始前,開始後に採血ならびに呼気ガス凝集液を採取した.なお被験者からは,文書による同意書を取得した.

【成績】呼気凝集液のpHの測定では,前橋では有意にpHを酸性に変化させた.川場では有意な変化は無かった.

前橋ではRantesなどが上昇傾向を示したが,川場では変化は無かった.

空気中の化学物質は,脂肪族系化合物,芳香族系化合物とも前橋市の国道沿いで高値であった.

その他メチルエチルケトンが,前橋でのみ測定感度以上であった.

【結論】国道沿いは,各種化学物質が,大気中に多く含まれていた.

健常人においても,大気汚染特に排気ガスなどが健常者の肺内環境に悪影響をあたえ,気道の炎症を惹起させることを示唆するデータであった.

第19回日本アレルギー学会春季臨床大会 2007年6月開催