表示にすがる健食の功罪「えがおの黒酢」9 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・現状は健康食品放置のツケ


 とは言いながら、それもこれも、現在の曖昧な健康食品の位置づけに起因することを読者の皆さんには知って頂きたい。

健康食品が法的には食品のジャンルに入るにもかかわらず、「いわゆる健康食品」という条件付きの呼び名で、長い間行政によって放置され続けてきた結果であるということ。

一部「特定保健用食品」として、ある一定の範囲で有効性を標ぼうすることのできる健康食品を法的に許可し、前者と合わせて1兆7,000億円近くの市場を野放しにし続けてきたこと。

そのツケが今、回ってきた。

これはいかにも行政の責任放棄のなせる業である。
「黒酢の特性はアミノ酸の摂取量にあるのではない。

さまざまな機能性にある」とする健食製造業者だが、血圧抑制作用や血糖値抑制作用など、地道な研究によって培われた機能性を標ぼうすることのできないのも健康食品のジレンマとしてある。

それゆえ、効果の疑わしい別の特長を強調してでも販売せざるをえないという矛盾をもたらしてしまう。
 消費者庁で行なわれた第7回「健康食品の表示に関する検討会」では、消費者団体から寄せられた「インターネットにおける健康食品会社に対する指導が毎年500件前後と安定している理由は何か」という質問に対して、消費者庁の審議官が次のように答えて会場を唖然とさせた。
「調査を依頼している機関が毎年同じ」であること、また「調査予算がほぼ毎年同額」であると答えたのである。失笑も洩れた。

行政の、いかにも通り一遍事務的な手の内をはしなくも露呈した一幕である。健康食品を取り巻く現状とは、かくも薄っぺらでお粗末な状況なのだ。根本的な問題は、健康食品そのものの生い立ちにあり、健康食品を取り巻くさまざまな業界が孕む構造的な問題にある。
 まずは行政においても、真剣に取り組んでいただきたいものである。

一部健食普及の壁となっている医師会や製薬メーカーらの利害、さらにそれにぶら下がっている薬剤師会など、医薬品業界も、少子高齢社会に突入した社会情勢を踏まえ、医療費などの国家負担の軽減や国民の真の健康長寿を考え、真摯に健康食品と向き合うべきときにあることを自覚してもらいたい。

医者も健食事業者も医薬品会社の社員も、皆同じ国民なのである。


runより:健康食品のCMを見てると売ろうとする必死さに嫌気がさします。

いい事ばかり言っているが本当はどうなのか分からないからです。