『茶のしずく』問題座談会2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・ちょうど同じ時期の10年10月15日に、厚生労働省が1回目の注意情報を出しましたので、その時は正直言って、これで私の仕事は終わったと思いました。これで商品を回収する、もしくは石鹸使用者に分かりやすく情報提供するなど、メーカー側はきちんと対応してくれるだろうと思っていたのです。

ところが、実際には、その後も石鹸使用者に適切な情報提供をせず石鹸を販売し続けて、実際に該当患者さんもアレルギーの原因となっている石鹸を使用し続け、さらには新規に発症する患者さんもいらっしゃって、今年5月20日の自主回収まで被害を拡大してしまったのです。

日本アレルギー学会でもこの問題を重く見て、「化粧品中のタンパク加水分解物の安全性に関する特別委員会」(委員長 藤田保健衛生大学皮膚科 松永佳世子教授)を立ち上げ、医学的な観点からの究明を進めています。

<厚労省の責任は?>
 ――多くのアレルギー専門医の警告や厚労省の通知にもかかわらず、自主回収までにかなり時間がかかり、それが結果的に被害を拡大させてしまったわけですね。

ここで、『茶のしずく』事件を巡る行政、業者、さらには消費者の責任についても考えていきたいと思います。
 ところで『茶のしずく』は、医薬部外品として製造承認されています。

その医薬部外品で健康被害が起きたことについては、本来であれば厚労省にコメントを聞きたいところですが、皆さん方はどのようにお感じになりますか。

 河岡 たしかに『茶のしずく』は医薬部外品ですが、承認については、国民生活センターはいっさい関与していませんので、何とも言えません。

ただし、許認可された商品といえども、健康被害が発生し、相談件数が多ければ、国民生活センターとしては、情報を提供する姿勢には変わりありません。

 福冨 詳しいところは把握しておりませんが、加水分解コムギ末は、添加物として認可されていた成分で、当初は健康被害が報告されていなかった成分ですので、承認されたこと自体はあの時点では問題ではないと思います。

 ――神山弁護士にお聞きしますが、医薬部外品として認可された商品が原因で健康被害が起きてしまったことに、厚労省側には責任がないのでしょうか。

また、メーカー側の製造責任はいかがでしょうか。

 神山 医薬部外品として承認した厚労省の責任については、現在検討中です。医薬品として製造承認されたもので、副作用による健康被害が起きている例があります。

ただし、医薬品で重篤な副作用が発生した場合は、被害救済制度があります。

医薬部外品でも重篤な健康被害が判明した段階で、緊急情報を出すなり、迅速な対応がとれたはずなのに、メーカー側の自主回収に任せていたというのは問題だと思います。

一方、悠香の責任については、製造物責任法があって過失が問われませんので、通常の使用方法で安全性を欠くことが証明されれば、メーカーと販売者は製造物責任法に基づく責任が問われることは間違いないと思います。