農薬の被曝と中毒の臨床2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・ピレトリンおよび合成ピレスロイド殺虫剤
 除虫菊エキスは,60年以上殺虫剤として使用されている.

その有効成分は,ピレトリンであり,致死量から見た安全性は高いが,セスキテルペンラクトンを含むものもあり,アレルギーの原因となる.

また,精製されたピレトリンがアレルギーを起こすこともまれに報告されている.

これらの欠点を改善した合成ピレスロイドは,除虫菊エキスよりずっと全身性中毒を起こしやすい.

ピレトリンおよび除虫菊エキスによって生じたるアレルギー対策は,まず接触を断つことである.

あとは,抗ヒスタミン剤,ステロイド,β2アゴニスト等の投与を一般的なアレルギーに対する療法と同様に行う.

また,皮膚の異常感覚には,ビタミンEが効くこともある.


有機塩素系殺虫剤
 ほとんどの有機塩素系殺虫剤は,非常に安定で環境中に長く留まる.

また,生物学的半減期は非常に長く,被曝後数ヶ月から数年経っても血中に検出される.

エンドリンは例外で, 良く代謝され被曝後2週間で血中には認められない.

代表的な有機塩素剤である DDT より2~4倍毒性が強い.

DDT の毒性は有機リン剤より低い.

クロルデンは,低濃度の被曝で慢性神経毒性が見出されており,子供では,神経芽細胞腫と血液疾患が報告されている.

多くの有機塩素剤は,げっ歯類に肝腫瘍を起こす.

クロルデンと癌との関係は示されていないが, 4つの有機塩素剤製造プラント(アルドリン,ディルドリン,エンドリン) の中一つのプラントで, 胆道および肝癌の発生が有意に高いことが報告されている.

DDT およびその代謝物 DDE については乳癌との関係が示されたが,他の研究では確認されていない.