・○中西委員長 ただいまご説明いただいた内容について、確認とかご質問がありましたらお願いします。
後のほうでご意見は伺いますので、事実関係がおかしいのではないかとか、こういうところを確認したいとか、そのようなことだけにとどめさせて頂きたいと思います。
ただ、北野委員が10時半で退室しなければいけないということで、ここでご意見を伺いたいと思います。
○北野委員 どうもありがとうございます。
どうしても出なくてはいけないので、一言だけ。
冒頭、中西先生が化審法は35年ということをおっしゃって、非常に感慨深いということをおっしゃっていましたけれども、私自身も自分の人生は化審法とともにあったのかなと。
そろそろ私自身はフェードアウトするのですが、化審法自体はここでまた見直されて、より強固なものになっていくということで、この委員会の意義を大きく認めます。
細かい議論は私もワーキンググループでさせていただきますが、これまで化審法の運用で、新規物質について格段大きな問題が起きてこなかったということは、今までの私の先輩方、先生方も含めて評価したいと思っております。
今から2点だけ、私の考えを申し上げさせていただきますと、先ほど戸田室長からございましたけれども、国際的な整合性といいますか、何も化審法をそれに合わせろということではなくて、いいものは入れていこうではないかという柔軟な態度でいきたい。
特に私はストックホルム条約(POPs条約)の委員をしている関係上、既に11物質が議論されていて、日本の産業界にも大きな影響をしてくる。
そうすると、ストックホルム条約の規定、判断基準、運用があるのですが、それが化審法と多少異なっているところがあって、その辺の整合性をこれからとっていかなければいけないのではないかということを現実的に感じております。
2つ目は、化学物質の全ライフサイクルにわたって、どこまで化審法が担保できるのか、そういう議論もぜひしていきたい。
現在の化審法だけにとどまらないで、どこまでできるか。その辺の前広な議論をしていきたいと思っております。
最後ですが、私自身の考えでは、これからも規制と自主管理をうまく組み合わせていきたい。同時に、事業者の過剰な負担にならないようなところも考えていかないといけないのではないかと思っております。
わがままをいいまして申しわけありません。10時半になったら出ますので、失礼しました。
○中西委員長 どうもありがとうございました。ほかの方でご質問とか確認しておきたいようなことはございますか。
発言をとめるような議事をして大変申しわけないのですけれども……。
それでは、後のほうでまた議論の時間をとりたいと思いますので、先に進めさせていただきたいと思います。
資料3及び資料4は今後の議論の参考にしていただければと思います。
続きまして、次の議題 (5)の化審法見直し合同WGにおける検討課題について、事務局から説明をお願いいたします。
○森田化学物質安全室長 それでは、ご説明させていただきます。
資料5でございます。一枚紙の表裏になっていると思います。
最初にお断り申し上げますが、ワーキンググループの設置の趣旨でもご説明いたしましたとおり、ワーキンググループでは効率的に、かつ技術的な内容を詳細にご議論いただくというご下命がございますので、そういう意味での議論の円滑化という観点も含めて、1つの案としてお示しをするものでございます。これからご議論いただく中で、項目の追加であるとか、さらなるご意見等々が加わった上でご議論を進めさせていただきたい。
そういうことになるという前提でございますので、まずそれを最初にお断り申し上げたいと思います。
まずワーキンググループでございますが、4回程度に分けてやってはどうかというご提案でございまして、この中で1回目が、先ほど北野先生からもお話がございましたが、全体的なものの中で化審法としてやっていくべきことをしっかり位置づけていく。そこをどう把握していくかというところからまず入ってはどうか。
そこで、小さいポツはまた後でご説明いたしますが、その後、実際に、ある意味リスクベースと言われるような管理体系を仮に想定する場合には、リスク評価をしっかりとやっていく必要がある。
そういった問題についてもワーキングでしっかり議論すべきではないかという意味で、第2回目にそういった柱を立てさせていただいております。
3回目につきましては、ハザードをどう評価するか、ハザードデータをどう集めるか、あるいはハザードデータ評価方法、新しい手法等々も含めて、どういう方法を考えるべきかという問題が多分あろうかと思います。
そういった形のものをかなり技術的等々に議論していただきまして、第4回のワーキンググループで、実際にどういうパッケージといいますか、どういう体系のもとで、何をどう管理していくかという絵をイメージしていく。
さらには、そのプログラム的な具体的な道筋でありますとか、そういったものも含めてまとめ上げる。
そういう意味では、イメージとしては、1回目のときに大きな絵の中でさらにどこをみていくかという議論をして、方法論をかなり詳細に議論して、最後にパッケージを考えるということでございます。
少し戻りまして、では第1回、どうみるかというところでございますが、WSSD目標という意味でのリスクベースという考え方の中で、化審法の射程というものがどうなるか。サプライチェーンのようなもの、基本的には事業者間の化学物質を扱っていくという考え方がまずあろうかと。
その場合のツールとしてどういうものがあるかというのが2番目のポツあたり。そういったものも踏まえて、では化審法で何を規制するかという具体的規制対象としてのイメージが、1つは高リスクのおそれのある化学物質等々。
このあたり、リスクの考え方の議論もあると思いますので、言葉じりには慎重なところはあるかと思いますが、そういった問題。それから、化学物質に付随して、アーティクルと書いてございますが、いわゆる固まった状態の成形されたものが化学物質の管理とどう連携していくかというような話があろうかと思います。
それから、高ハザード化学物質という形で書いてございますが、先ほど北野先生がおっしゃったような、世界的に規制を厳しくしていく物質は当然廃絶すべきでございますが、他方でエッセンシャル、どうしても使わないといけない用途が仮にあった場合、どうすべきかという話があろうかと思います。
第2回目につきましては、リスク評価ということでございますが、まず何のためにやるか、だれがやるかという役割分担論が最初にあります。
次に、リスク評価のためのデータセットという問題がございますので、それを決めて、どう集めるかという話。
さらには、リスク評価のもう一方の情報として、暴露情報と呼んでおりますが、実際どれぐらいの量が使われ、どういう状況で使われているかという話。
こういったデータを集めますと、当然、企業の皆様の立場からすれば、機密情報が入ってくるだろうというご議論もあるのかなと思っております。
3回目につきましては、ハザード評価方法ということで、化審法の現行評価方法はある程度確立されたものがございますし、国際的にも一定の確立された方法があるわけでございますけれども、その中で、リスクの観点も含めて、ハザードをどういうところでどういう制度までやっていくかという議論があろうかと思っております。
低生産量、少量のものの扱いの問題、それから、そもそも有害性懸念が低いような物質の問題が、ハザードオリジナルな問題としてある。
さらには、評価結果をどう開示していくかということも、評価をする方法と表裏一体になると思っております。
さらには、QSARと書いてございますが、実際にデータをとらないでも、類似の物質から毒性を類推していくというアプローチもある程度取り入れるべきではないかということ。
それから、環境中への残留可能性に関する考え方。化審法はもともと難分解性、高蓄積性のものなので、
環境中にずっと存在し続けるという発想のものでございますが、リスクの考え方を入れていくと、そういったものに合わせて、使われ方によっては科学的特性プラスアルファの要因で環境中に残るものもあるのではないかという考え方でございます。
次にナノテクというのは、新しい技術によって、新しい物質が出てきているという問題でございます。
4回目は、以上申し上げましたようなものをまとめるプロセスでございますので、どういう整理かなとは思うのですが、ここで1つ言葉としまして明示的に出てきますのは、既存化学物質を含む、市場に流通する化学物質を適切に管理するという、ここが今回の重要な論点であろうかと思います。
化審法は新規と既存という入り口論としての区分があるわけでございますが、実際に管理をするというフェーズになると、そういったものを含めて市場に流通するものをまとめて考えていく。
その中で、情報をどう集めるか、どういう措置を講じていくか、化審法が何をするかということを考える。それを、優先順位をどうつけるか、リストをつくるのか、どういうプログラムでやっていくのかという話があろうかと思います。
その中で、既にある程度のご議論が前回のとりまとめで終わっておりますが、化管法と呼ばれます別途の化学物質管理法体系がございまして、そういったものとどう連携させていくかといったことも、最後のパッケージとして考えるべきであると思います。
以上でございます。