悠香『茶のしずく』裁判を考える(4) | 化学物質過敏症 runのブログ

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・悠香『茶のしずく』裁判を考える(4)~「認識の甘さが生んだ」では済まされない
2011年10月 5日 18:00
 受託加工メーカーの(株)フェニックスや製造販売元の(株)悠香に過失があるらしいことを前回の記事で紹介した。

なかでも、大量のテレビCMをたれ流し、『茶のしずく』を拡販した悠香には、最も大きな販売責任があるものと見られる。

 「グルパール19S」は安全性が確認できていない成分であるという事実が明らかになっても、悠香は「医薬部外品の成分である加水分解コムギ末が、アレルギー症状を引き起こすとは知らなかった」という従来の主張を、今後の裁判でも繰り返すのだろうか。

安全性が確認できていない成分が含まれていたことは、「知らなかった」ではすまされない。

 また、大手化粧品メーカーに、化粧品・スキンケア製品に含まれるタンパク加水分解物は、分子量が大きいと、アレルギー症状が発症する可能性があることを知っているか聞いたところ、「異物と認識される程度に大きな分子量を持つたんぱく質の場合、そのアレルギーの可能性を考慮しなければならないのは、当然のことであると認識しております」との回答を得た。

 また、「当社が化粧品で使用している原料は、タンパク加水分解物を含めて、じゅうぶんな安全性試験を行ない、安全性が確認できた原料のみを使用しています」としており、「医薬部外品の成分だから大丈夫だろう」という認識は、通用しないのである。
 未知の病気を生み出し、社会問題に発展した『茶のしずく』問題だが、真相は"他社では実施しているはずの安全性確認を、悠香・フェニックス・片山化学工業研究所の3社が怠っただけ"、という単純なものなのかもしれない。

 NET-IBには、つい先日も関西の女性から相談の電話があった。30代の女性は、大学病院で病因を特定するための検査を行なっていた最中にショックを引き起こし、検査が中断したままだという。

仕事は1年以上も休職状態のままで、仕事に出ようにも出ることが出来ないほど不良な体調だという。

電話の向こうで激しく咳き込む女性の姿が痛ましかった。

まだ原因も特定できない。

この女性は小麦成分を含んだ食事は一切控えており、毎回の食事が怖いほどだという。

このように、相談先がわからなくて途方に暮れているような被害者がまだ相当数いるものと思われる。

 一方、福岡市内のある餃子屋からは、「うちも餃子に小麦を使用しているけど、大丈夫でしょうか?」との質問を受けた。

悠香の問題は意外なところにも波及しているようだ。

<ハイクオリティ認証の普及がカギ>

 『健康食品・サプリメント[成分]のすべて』には、日本特有成分の項目としての掲載、日本の処方医薬品、一般医薬品、漢方などとの相互作用などはもちろん、日本での健康被害症例の掲載や、日本での呼び方も「総合食品事典」・「総合栄養学事典」(同文書院刊)との整合性も持たせてある。

 また、膨大な日本対応版の一つに日本の健康食品・サプリメントのリストアップがある。

英語版の商品リストアップには、医療従事者や健康保険組合などが患者や組合員に安全で品質の高い商品を推奨するためや、一般消費者が有効性のある商品を選択するための指標として商品の総合認証システムがあるが、日本でもそのシステムに準拠してNMDBをベースとした健康食品の認証制度「ハイクオリティ認証制度」を提唱している。

この制度によって、健康食品の安全性と品質を相当程度担保することが可能になるだろう。
 たとえば、安全性については、公益財団 日本健康・栄養食品協会が提唱する「安全性第三者認証」では、原材料の安全性を立証する根拠として、(原料ベースで)全世界の論文を調べて示すように指示されているのが、それは少なくとも一般企業においてはNMDBでなければ定期的にいつも情報収集することは難しいといえる。

しかも、疾病ごとの症状禁忌や医薬品との飲み合わせ、食品や健康食品同士の相互作用などという問題が加わるため、NMDBの情報が不可欠となる。
ハイクオリティ認証マークを取得すれば、まず、NMDB日本版のデータベースに掲載され『健康食品・サプリメント[成分]のすべて』の巻末リストに掲載されることになる。

世界レベルにおいても、日本のハイクオリティ認証を取ったという位置づけでリストアップされるだろう。