・「出典」Dr林のこころと脳の相談室
http://kokoro.squares.net/index.html
■ 大学病院などでは精神科、神経科、心療内科を厳密に区別していることもあります。
逆に、クリニックや総合病院の外来では、看板の名前が違うだけで中身は同じと考えてまず間違いありません。
■ また、同じ、というのはあくまで「現状では」という意味です。
というのは心療内科については専門医制度ができているので、これからは状況は変わってくると思います。
■ それから神経内科という名称もあります。
神経内科はパーキンソン病、脳梗塞、小脳変性症など(これらを神経疾患と呼びます)を扱うもので、内科の一分野に属します。
しかし名称としての神経内科は、精神科のクリニックなどではよく使われています。
精神病と神経症はどう違うのでしょうか。
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A. 自分の症状を客観的に見られるかどうかが違います。
精神病では、自分の言動が理解できません。
それに対し神経症では、自分の症状を理解し、それに伴って悩んでいます。「精神病の人には現実検討能力がないが、神経症の人にはある」「精神病の人には病識がないが、神経症の人にはある」と言うこともできます。
具体的には、精神病には精神分裂病、躁うつ病など、神経症には不安神経症、抑うつ神経症、強迫神経症などがあります。
■ ところが実際は精神病と神経症の違いは曖昧です。
精神病でも自分の言動をよく理解できていることはあり、逆に神経症で自分の言動がよく理解できないこともあります。
■ 実は神経症という言葉は国際的にはなくなりつつあります。
日本の法律でも、「精神障害」としてひとまとめにされています。
精神障害というと、何だか怖い病気のような感じがしますが、精神病も神経症も、脳の病気であることに変りはなく、2つに分ける科学的な根拠はありません。