環境中の電磁スモッグ | 化学物質過敏症 runのブログ

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・SAEFL「環境中の電磁スモッグ」2006(翻訳:NPO 法人市民科学研究室)
【この翻訳冊子について】 スイスは世界で最も先進的な電磁波防護関連法規を制定している国です。

2006年に同国のスイス環境森林景観庁(SAEFL)は、国民向けに予防的観点を重視した解説ブックレット『Electrosmog in the environment』を発行しました。

同書はSAEFLのホームページから無料でダウンロードできますが、日本の市民にも利用価値が高いと思われるので、全文を日本語に訳し、市民科学研究室のホームページで入手できるようにしました。

日本語に翻訳することを快く許可してくださったSAEFLに感謝します。

なお、この翻訳書の訳文や図表を引用する場合は、原著名と翻訳者名(NPO法人市民科学研究室)に必ず添えるようにして下さい。

2007年6月28日 NPO法人市民科学研究室

電力供給体系、電気機器および各種の無線装置は、その強度によっては健康に有害となりうる、通常「電磁スモッグ」とよばれる非電離放射線を生成する。連邦議会は、非電離放射線防護関連法を制定し、電磁スモッグの健康への悪影響から国民を保護するための法的手段を導入した。
この小冊子は、主要な電磁スモッグの源泉を記述し、関連する危険を評価し、未解明の部分を特定し、曝露水準を低減する方法を示すものである。

2005年6月
:公衆衛生の為の予防
現代情報通信技術の発展により数えきれぬほどの手段が選択できるようになったが、そのおかげで過去10 年かそこらの間に、日常生活はすっかり変わってしまった。

携帯電話とインターネットの急速な成長は、そのうちの二つの例にすぎない。今ではさらに多くの電気機器や無線装置が、家庭や職場で、あるいは移動中にも用いられているが、そのことには、非電離放射線による環境汚染の増大という、否定的な側面もある。

連邦議会は2000 年2 月に、電磁スモッグの健康への悪影響から国民を保護するための手段として、非電離放射線防護関連法を制定した。

それは、科学的に確認された悪影響から国民を保護するために、送電線その他供給装置、携帯電話基地局アンテナおよび無線送信機に関して、曝露基準を定めたものである。

同法はそれに加えて、住民が長期間占拠する地区に近接して建設される装置に対して、厳重な規制を課しているが、そこでは予防原則を適用して、曝露基準をさらに低く設定している。
非電離放射線とその生物学的影響は複雑であり、ヒトは放尃を直接に知覚する感覚器官をもっておらず、研究には未解明の部分があり、さらに健康リスクには不確実性がつきまとうため、さまざまな恐怖や憶測が生じがちであるが、スイス環境森林景観庁は、この冊子を通じて事実に関する情報を提供することにより、それを克服することを望んでいる。
この冊子はたとえば、非電離放射線の健康に対する影響に関する最新の発見を、できるかぎり客観的な形で提供している。

ここではまた、環境中に常在する見えない放尃に視覚的なイメージを与え、それをより捉えやすいものにすることをも試みた。
しかしこの冊子はまた、個人的責任の側面にも触れている。というのは、電磁スモッグはしばしば自家製であるからだ。

多くの家庭において、非電離放射線の主要な源泉は外部の供給体系ではなく、むしろ内部の電気機器である。

そうなると、法的な規制による保護にも限界がある。

自身の利益を考慮して行動し、現代技術が提供する多数の選択肢を慎重に使用すべきなのは、われわれひとりひとりである。