大震災と化学物質:より詳しく31-3 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・がれき同居 うんざり
  被災地のがれき処理が進まない。震災から4ヵ月が過ぎようとしているのに、仮置き場に移すことができたのは3分の1だ。

その一方で、大量のがれきの足元で生活する被災者は、粉じんや悪臭に悩まされている。

学校・仮設住宅を包囲 窓開ければ悪臭、閉めれば酷暑
 宮城県石巻市の旧北上川沿いにある県立石巻商業高校は、がれきの仮置き場に取り囲まれている。

4月以降、ダンプカーが毎日、コンクリート片や木材、畳、家電、汚泥などを運び込むようになった。

総量は10万トンを超える。
 上総通教頭は「臭い、粉じん、ハエがひどい。事前に説明もなかった」と憤る。目のかゆみやのどの痛一みを訴える生徒が絶えない。体育や部活で校庭に出る時はマスクをつける。

6月までに生徒と教員各1人が、肺炎やそれに近い症状と診断された。
 窓を閉めた各教室に扇風機2台を配った。

暑くなると、臭いを我慢してでも窓を開けざるをえない。

同校は周辺住民らとともに市に対策を求め、当初は1・8メートルだった仮置き場のフェンスの高さが一部で9メートルにかさ上げされた。

殺虫剤や粉じんの飛散防止の石灰乳などが散布されたが、ハエや臭いは消えない。
 同校の周囲2カ所には約110世帯分の仮設住宅が建てられ、7日から入居が始まった。

上総教頭は「がれき撤去以外に有効な対策はない。

他県の力も借りないと早期解決は無理でしょう」と話す。
 同県南三陸町では、住民によるがれきの野焼きも始まった。

漁港近くや山あいなど十数カ所で煙が上がっている。

海岸沿いで野焼きをしていた漁業の男性(62)は「仕方ねえ。このままがれきがかたづかなけりゃ、仕事になんねえ」と話す。
 環境省によると、被災地での野焼きは例外として認められている。

県も「推奨はしていないが、今はがれきのもって行き場がなく、仕方がない」と黙認する。

佐藤仁町長は「風にあおられ、大規模な火災が発生しないとも限らない」として自粛を呼びかけている。(吉田拓史)

肺炎増加 粉じん影響か アスベストも注意必要
  がれきの粉じんを吸い込むと、肺炎の発生を助長することがある。

専門家は「のどがいがらっぽくなって、たんが増え、肺炎球菌などの常在菌が増殖しやすくなる」と説明する。
 宮城県石巻市の石巻赤十字病院によると、震災から2ヵ月間の肺炎による緊急入院患者数は前年に比べ4・3倍、ぜんそく発作が3・6倍。矢内勝・呼吸器内科部長は「炎症が続いて重症化する患者もみられる」と話す。
 がれきの中には、アスベストを含む工場や倉庫の屋根板や壁なども見つかっている。

細い繊維が集まったアスベストは、吸い込むと数十年後に肺がんや中皮腫になる恐れがある。(辻外記子)