・■日経新聞10日 被災地、野焼きやめて 行政・消防呼びかけ 火災懸念、通報騒ぎも 住民、撤去進まず がれき処理
東日本大震災の被災地で、住宅周辺に積み上がったがれきの撤去が進まず、被災者らが自ら「野焼き」で処理するケースが目立つ。
行方不明者の捜索に重点が置かれ、行政の手が回らないためだ。
だが倒壌家屋の木材が散乱する中、大規模火災につながる可能性もあり、行政や消防は「危険なのでやめてほしい」と自粛を呼びかけている。
「高速道路の方が燃えてます」。
3日昼前、119番通報を受けた宮城県亘理町の消防署員らが被災地を通る高速道路近くに急行した。
消防車と警察車両が計m台近く出動し、閑散とした被災地にサイレン音がけたたましく鳴った。
近づくと、農家の男性(70)が自宅近くに流れ着いた木材などを庭先で焼却していた。
「こんなところで燃やしたら危ないですよ」。
消防署員はホースで水をかけ、諭すように火を消した。
被災地では津波による被害を免れた家でも、流れてきた木材やごみが周囲に積み上がり、屋内にまで入り込んでいる場所が多い。
許可を得て農閑期に枯れ草などを燃やす野焼きは同町でも珍しくないが、「同じ感覚で被災ごみを燃やすのは困る」と災害対策本部の吉田充彦さん(50)。
沿岸部では頻繁に野焼きの白煙が上がり、火事と勘違いした通報が1日に1~2件あるという。
亘理消防署の山本良一署長(59)も「家屋の木材などが散乱した場所も多く、延焼したら大変なことになる」と訴える。
7日の余震で同町の約8割の地域が断水し、現在は消火活動も困難な状況。町では消防車や防災無線を使い、野焼きを控えるよう改めて周知を徹底するという。
ただ、被災者の思いも切実だ。
野焼きをしていた農家の男性の妻(65)は「避難所から毎日通って片付けているが、とても追いつかない」と打ち明ける。庭先には流れ着いた大量の木材が散乱。
家の前の道は裏返しになった車がふさぎ、トラックや重機が入れない。
自治体は今も不明者の捜索を優先しており、がれき撤去に人手は割けない状況だ。
8日現在で行方不明者がなお45人いる亘理町は「捜索に必要ながれき撤去はするが、緊急性のない所はもう少し先になる」と住民の理解を求めている。
京都大学環境科学センターの浅利美鈴助教は一「海水やプラスチックの混じったがれきを燃やすとダイオキシシが発生する恐れがあるし、工場から有毒物質が流れてきた可能性もある。健康を害するので野焼きはやめるべきだ」と指摘している。
runより:この記事には重要な事が書かれてます。
まず、野焼きは許可が必要な事。
海水やプラスチックの混じったがれきを燃やすとダイオキシシが発生する恐れがあるし、工場から有毒物質が流れてきた可能性もある。
という部分です。
当然・・・農薬もです。