・ (13)将来の大量エネルギー供給が強調され、エネルギー問題/環境問題を本気で考えることの邪魔をし、エネルギー政策の意思決定から市民を遠ざける。
国や電力会社が地球環境のことをまじめに考えていないことは、「プルトニウムは千年エネルギー」などと宣伝をし、エネルギーの大量消費をいつまでもつづけてよいかのように印象づけていることにはっきり示されている。
電気新聞などの業界紙誌には、「電力需要開拓」という言葉がいつも大見出しに踊っているのだ。
電力業界にとっては、プルトニウムは利用したくないが、プルトニウムで「永遠のエネルギー」をうたうことで電力需要開拓の正当化ができると考えているのだろう。
百年先、千年先のエネルギー利用のあり方をエネルギー供給産業の側から考えていたのでは、エネルギー危機は必至だし、その前にも地球環境は死を迎えるしかない。
(14)電源三法交付金などにより立地自治体の財政に一過性の膨張をもたらし、地域内に賛成・反対の対立を持ち込み、地域の自立を妨げる。
くどくどと説明する必要はないだろう。一九八五年五月二十九日の東京新聞から、東京電力の小牧正二郎常務(当時)の言を引用する。
「開発が進むというのも善しあしです。開発はその地域の地縁血縁をズタズタにすることもあるんです」
当時、小牧常務は立地総合推進本部長だった。
そんな仕事を受け持つ人の言うこととは思えないが、「立地については十年先まで手当ができているんです。
それどころか、いまある計画を延期するので大変」という時期なればこそのホンネである。
(15)情報の隠蔽や捏造、操作が(国内でも海外でも)常につきまとう。
これまた解説するまでもない。もんじゅ事故や東海再処理工場事故、核燃料輸送容器のデータ捏造・改竄などなど、実例は枚挙に暇がない。
以上のように見てくると、「これでもか、これでもか」と悪いところばかりを強調しているようだが、おそらくまだ十分ではないだろう。問題は、これにどう対処するかだ。原子力発電を推進しているのは、政府や電力会社だ。
その巨大な力に対して、私たちに何ができるだろうか。
まずは知ること。私の述べたことだけでは、一方的に過ぎるかもしれない。
原発をすすめる立場のものも読んで、原発の実態をよく知ってほしい。
そして、やはり原発が「安全な暮らし方」に反すると考えられたら、そのことをまわりの人に伝え、投書などで世論に訴え、政府や電力会社に意見を送って政策や経営のあり方の転換を働きかけることだ。
もちろん、自らの暮らしを見直す必要もあるだろう。
とりわけ電気に頼りすぎないことが大切だと思う。電気が止まったら何もできない暮らしをしていては、大量の電気を供給する原発に反対することは難しい。
runより:実は日本は放射能事故大国でもあります。
レベル5以上が3度以上あった国は調べたんですが見つけきれませんでした。
日本が正直なだけだといいんですが・・・