なぜ「脱原発」か3 | 化学物質過敏症 runのブログ

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(4)数万年を超える管理を必要とする高レベル放射性廃棄物をはじめとして、大量かつ種々雑多な放射性廃棄物を発生させる。


 原子力発電にともなって、「低レベル放射性廃棄物」と呼ばれる放射能のゴミが大量に発生する。

核燃料から漏れてきた死の灰や、原子炉内の鉄錆びに放射線が当たって生まれた放射能などをふくんだものである。

放射能で汚れた水を煮詰めた濃縮液、紙や布を燃やした灰、放射能の回収に使われたフィルター類……これらを、セメントに混ぜたり、アスファルトやプラスチックに混ぜたりしてドラム缶に固め込む。

それを青森県六ヶ所村につくられた埋設センターに運んで埋め捨てている。

埋め捨てるといっても、埋めた後も管理をつづけ、三百年経ったらやっと捨てたことになる。

 「高レベル放射性廃棄物」のほうは、数万年は管理をつづける必要がある。原発で燃やされた使用済み燃料には、そのまま高レベル放射性廃棄物とするか、再処理をしてプルトニウムを取り出すかの二つの道がある。

再処理をする場合は、プルトニウムと燃え残りのウランを取り出したあとの放射性廃液をガラスと混ぜてステンレス容器に固め込んだものが高レベル放射性廃棄物となる。

 世界的に見れば、使用済み燃料をそのまま高レベル放射性廃棄物とする道が主流だが、日本では再処理の道を国の基本方針としている。

高レベル放射性廃棄物は、深い地層のなかに埋め捨てることとされている。

そうすれば超長期の管理をしなくともよいというのだ。

 しかし深い地層がおとなしく高レベル放射性廃棄物を抱いていてくれる保証はない。

高レベル放射性廃棄物という「負の遺産」の管理を子孫にゆだねざるをえない以上、少しでも子孫の負担を小さくすることを、もっと真剣に考えるべきだろう。

 原子力発電にともなう放射能のゴミは、それだけではない。原子力発電は、原発があるだけではできず、ウラン鉱石を掘り出して燃料を製造するためなどのいくつもの施設がある。各工程にはつねに放射能のゴミの問題がつきまとっている。

その全体が、いわゆる「核燃料サイクル」だ。再処理の道をとる場合、使用済み燃料をそのまま高レベル放射性廃棄物とする道に比べて、いっそう複雑な核燃料サイクル施設が必要となり、放射能のゴミのあと始末はいっそうやっかいになる。