Q風邪が長引いて3ヶ月くらい咳が続き時々息苦しくなり、サルタノールを使うと楽になります
風邪と喘息の境目が分かりません。
またのどに痰がからんだときサルタノールを使うのか、
風邪薬を飲むのか迷います。
サルタノールなどの吸入式の気管支拡張薬を使用して楽になるのなら喘息です。
風邪が月単位で長引くことはまれです。
痰がからむだけでなく息苦しければサルタノールを使ってください
痰がいつもよりも濁って汚ければ風邪薬(抗菌薬)も併用する必要があるかもしれません。
Q退院して半年になります。
毎日プレドニン1錠を服用しています。
ピークフローも安定し、階段の上り下りにも息切れはありません。
プレドニンは続けなければなりませんか。
プレドニン1錠は、通常体内で産生される内因性ステロイドの1日量に相当します。
長期間使用すると内因性ステロイドの産生を抑制しますから、急に止めるわけにはいきません。
1日おきにしたり、まず半錠にしたりしてゆっくりと減量していきます。
状態がいいようですから主治医と相談しながら減量してください。
Q 酸素吸入は役に立ちますか。
重症の喘息発作を起こすと酸素が体内に入りにくくなり、低酸素症をおこします。
そういうときには酸素吸入を行います。
しかし酸素には喘息発作を抑える効果はないのでそういうときには抗喘息治療が必ず必要です。
Q大学生の息子が数回急な喘息発作で救急車を使って病院へ運ばれました。家族がいたから良かったのですが誰もいないときに起きたらと心配です。
急激に悪くなる方でも何らかの前兆があることが多いのです。
喘息日記をつけ、ピークフローモニターを行えば、早期に悪化の前兆をとらえることができます。
一般的に思春期から大学生くらいの方に治療態度が不良の方が多くみられます。
発作の時だけの治療ではなく、普段からのコントロールが必要です。
Qレントゲン写真で肺気腫の疑いがあるといわれました。
喘息から肺気腫に移行しますか。
そんなことはありません。肺気腫と喘息は全く別の病気です。
慢性に発作のある重症の方はレントゲン写真上肺気腫のように見えることがありますが、肺気腫のように肺胞構造が壊れることはありません。
呼吸機能の拡散能や高分解CTを撮れば区別できます。
Q 現在ベコタイド、テオドール、サルタノールを処方されていますが、妊娠した場合続けて使用しても大丈夫でしょうか。
現在喘息に使用されている薬で妊娠に対して禁忌という薬はありません。
特に今使用されている吸入ステロイド、テオフィリン薬、β刺激薬は安全といわれています。
好ヒスタミン作用のある内服薬は避けた方が安全かもしれません。
ステロイドは内服、もしくは注射で使用しても催奇形生はありません。
妊娠に際して注意すべきはむしろ発作を起こさないようにすることで、特に低酸素状態になるような大発作を起こさないことが肝要です。
胎児も母体から酸素を供給されているのでお母さんが低酸素になると赤ちゃんも低酸素になります。
その方が薬よりも悪影響はずっと強いと考えられます。
妊娠中も十分な薬を使用して状態をコントロールすることが大事です。
しかし薬は少ないにこしたことはないので、吸入薬主体にして量を少なくした方がよいでしょう。
また初期の3ヶ月がもっとも注意が必要なので、発作が起こりやすい時期
がはっきりしている人ならば、計画的に発作好発時期と妊娠初期が重ならないようにしましょう。
Q猫を飼っています。そのために発作が起こるわけではないのですがやはり飼わない方がいいで
すか。
基本的にはアレルギーの病気のある家庭ではペットは飼わない方がよいと思います。
とくに猫、犬はふけや毛が強いアレルゲン性を持っており、今大丈夫でも飼っているうちに駄目になる(これを感作されるといいます。)ことがよく見られます。
血中のIgE抗体を検査すればある程度の見当はつけられます。
ネコアレルゲンに対する特異IgE抗体があれば症状はなくても少なくとも準備状態にはあるということができます。
Q 中二の男の子ですが3ヶ月前からベネトリンを吸入しないと発作を起こすようになってしまいました。
そんなに毎日吸入していいものでしょうか。
3ヶ月間の吸入自体は問題はないと思いますが、ベネトリンは気管支拡張薬で発作治療薬です。
毎晩吸入しなければならない状態というのは基本的にコントロールできていないと考えられ、長期管理薬が必要です。
まだ長期管理薬を使用していなければ開始しなければいけませんし、すでに何らかの長期管理薬を使用しているのであれば不足している状態ですから、変更するか、増量する必要があります。
Q ペニシリンでショックを起こしたことがあります一生ペニシリンは駄目なのでしょうか。
多くの場合繰り返しますいっぺん駄目だった人は避けた方がよいと思います。使える抗生物質を何種類か医師に決めてもらっておいた方がいいですね。
Q 吸入ステロイドには副作用がありますか。
補助具(スペーサー)の効果は?
吸入ステロイドを常用量、あるいはその2~3倍程度の量で使用するのであれば全身的な副作用はあまりありません。
補助具を使うと、吸入のタイミングを併せにくい人でもうまく吸入できます。
またかなりうまく吸える人でも補助具を使った方が吸入の効率が良くなると言われています。