・空散農薬と健康被害の因果関係
島根県出雲市の例:去年、朝、7ヶ所の松林への散布直後に、小中学生を中心に目やのどの痛みを訴える人が続出。
市が把握しているだけで、1285人。中学生「歩いている途中、目がかゆくなった」女性「目頭に小粒の石が入っているような痛みを感じた」
2週間後、市は健康被害調査委員会を設置。
農薬メーカーなどからヒアリングを行った。
メーカー(住友化学)は、"スミパインMCは安全性を高めた農薬であり、散布区域を越えて広がる可能性は極めて低い。
殺虫成分を直径20ミクロンほどのカプセルに閉じ込めている。
カプセルの重みで散布後すぐに、下に落ちるため、遠くまで飛び散りにくい"などと主張。
さらに、殺虫成分(スミチオン)についても、ウサギを使った実験で、目に入れても刺激性がなかったという報告書を示し、安全性を主張。
しかし、メーカーの実験データには、6匹中3匹にごく軽度の刺激性ありと記されていたことが、植村振作委員の指摘で発覚。
メーカーが謝った。
また、国の基準では地上から1.5mの高さでの風速が5m/秒以下であることとなっており、当日の風速は基準を満たしていたが、飛行高度と同じ15mでの高さでは、最大瞬間風速が9m/秒であったことも分かった。
加えて、「空散は学校周辺では原則禁止」となっているがその範囲は自治体任せなど、国の基準の問題もある。
委員会は3ヶ月にわたる審議の結果、結論は一つにまとまらず、空散が原因2人、原因は特定できない2人、空散が原因である可能性を否定できない7人という意見併記となった。
これを受けて出雲市は今年、空散を取りやめた。
新たな松枯れ対策の模索
農薬の樹幹注入:1万円/本で、空散の160倍の費用がかかる。
生物農薬:マツノマダラカミキリの幼虫から栄養分を吸い取る天敵虫や鳥、昆虫、細菌などの天敵について、実用化をめざした研究。
抵抗力を持つ松の開発が進展中。
などを紹介。
しかし、空散に替わる特効薬はみつかっていない・・・。
小出五郎氏(評論家)登場(省略)