・国民生活センターより
http://www.kokusen.go.jp/ncac_index.html
ヘナ配合の白髪染めをうたった商品-染毛効果を中心に-
目的
ヘナを使用した商品には、葉を乾燥、粉砕したパウダー状のものやパウダーあるいはエキスを配合したクリーム状のものその他シャンプーなどがある。
いずれも色素成分が髪のたんぱく質に結びつき、髪を傷めず白髪を染めることをうたっており、数種類の色の中から希望の色を選択できる商品もある。
国民生活センターのPIO-NETにはヘナに関する相談が寄せられており、「全く染まらない」や「安全性が心配」などの他「頭皮がかぶれた」といったものもある。
そこで、ヘナを配合して白髪染めをうたった商品の染毛性能の評価を行うとともに、ヘナ特有の色素の含量及びアレルギーの原因となる染料を使用していないか、また、皮膚への安全性について調べた。
結果
•ヘナ色素ローソンはパウダータイプやクリームタイプの一部には含有していたが、ほとんど検出されない銘柄もあり、それらはローソンによる染毛効果は期待できないものであった。
また、表示からみると他の染料を配合しているものも多かった
•表示の基本的な方法では、染毛性能は低く、白髪の半分くらいが染まったと評価されたのは12銘柄中3銘柄のみであった
•パウダータイプで繰り返し使用したり、塗布後の放置時間を長くすると評価が高くなったが、実際に使いたいと評価されたのは3銘柄であった
•永久染毛剤に最もよく使用され、アレルギーの原因となる可能性が高い染料は、どの銘柄からも検出されなかった
•ヘナ配合の銘柄は強い陽性反応は出ず、また反応が出た人の数も少ないことから、永久染毛剤に最もよく使用される染料と比べると安全度は高かった。しかし、永久染毛剤でかぶれ等の経験がある人が使用する時は注意が必要である
•ヘナの色素成分であるローソンがほとんど入っていない銘柄でも、「ヘナ」により染毛されると受け取れる表示があり、誤認を招くおそれがあった
消費者へのアドバイス
•全般的にヘナ配合の白髪染めは染毛効果が低いことが分かった。使用する際には、そのことを理解したうえで
•一部の銘柄では、使用方法を工夫すると染毛性能が向上する場合がある
•代表的なアレルギー性の染料を使用しているものはなかったが、これまで永久染毛剤でかぶれ等を起こしたことのある人は使う前にパッチテストを
業界への要望
•ヘナ色素のローソンがほとんど検出されないようなものもみられたため、ヘナにより染まると受け取れる誤認を招く表示の改善等を要望する
•全般的に染毛性能が低かったので、染毛性能について誤認のないように、また良く染めるための工夫についての表示を要望する
•パッチテストを実施する旨の表示をするよう要望する
行政への要望
•ヘナとうたった商品でもヘナ色素ローソンがほとんど検出されない銘柄がみられ、染毛性能も低かった。誤認を招く表示を改善するよう指導することを要望する
•使用時にはパッチテストを実施する旨の表示をするよう指導を要望する
要望先
公正取引委員会 事務総局 取引部 景品表示監視室
厚生労働省 医薬食品局 安全対策課
厚生労働省 医薬食品局 監視指導・麻薬対策課
日本化粧品工業連合会
日本ヘアカラー工業会
情報提供先
内閣府 国民生活局 消費者調整課
業界の意見 -たしかな目 2006年12月号、2007年2月号より-
「マックプランニング」
「マックプランニング」より (2006年12月号)
染毛料を単に染毛性能が低いと表現するのは誤りです。
弊社の商品には直接の容器外箱に[染毛剤ではない正しい説明、及び髪のタイプ別仕上がり、使用上の工夫など]を明記しています。
(有)マックプランニング 取締役 岡田直樹
「マックプランニング」への商品テスト部の見解
今回いただいたご意見は、今後のテスト実施の際の参考にさせていただきます。
なお、染毛性能に関しては、染毛料はもともと永久染毛剤と比べて染毛性能が低いことは承知しております。
今回のテスト品はすべて染毛料であり、その中で比較した結果です。
「実正」
「実正」より (2007年2月号)
「ヘナ配合の白髪染め」のテスト(10月号)では、弊社商品(テンスター カラーリングヘアクリーム ブラウン)からは、ヘナローソンがほとんど検出されないという記事が載せられていました。
確かに本品中のヘナ濃度は高くはなく、表示にヘナ自体の効果で毛が染まると受け取れる記述がありましたことは不適切であったと反省し、表示変更の手続きをさせていただきました。
一方、同記事の中の染毛実験におきまして、本品ではまったく毛が染まらないと解釈できる結果が出されていますが、これは貴センターで行われた実験の方法が、本品説明書きの使用方法とは異なるためだと思われます。
本商品は、一般のカラーリング剤とは異なるコンセプトの製品でございます。「使うたびに徐々に髪を着色し、白髪を目立ちにくくさせる」、一度に大きく髪色の変化を望まれない方のために開発された商品です。従って、染毛効果は一度で髪色を変える市販のカラーリング剤と比較すると染毛の性能は劣ります。印象を大きく変えたくない方、市販のカラーリング剤では、アレルギー等で染毛できない方を中心に、2004年8月の発売以降、約80,000本を販売させていただいております。
実際私どもでは説明書きに則った方法では、染毛効果を確認しておりそのデータはいつでも掲示可能であります。
従いまして、メーカーとして商品コンセプトをご理解いただき、説明書に従った使用方法での実験をお願いすることを申し添えます。
(株)実正 研究開発室長 鈴木聡
「実正」への商品テスト部の見解
今回のテストでは、ヘナによって染まると受け取れる表示があるものを対象商品としました。
テストの結果は白髪割合30%の毛束を使用して15回染毛するという条件で処理し、その毛束を評価したものです。