・3 計画的な整備の実施
(1) 当初に,企画,基本設計,実施設計及び施工の各段階について十分な期間を確保した年次計画等を策定し,これに基づき,計画的に整備を進めることが重要である。特に,企画から基本設計へ至る段階については,十分な計画を行うことが望ましい。
(2) 企画から施工に至る整備の各段階において,各段階相互の内容的な連続性,整合性等を十分に確保することが重要である。
(3) 完成後には施設に係る評価を定期的に行い,今後の改修・改築等の計画に生かしていくことが重要である。
(4) 施設の整備を段階的に行う場合は,将来に渡る施設全体を,総合的に計画することが重要である。
4 長期間有効に使うための施設整備の実施
(1) 学校施設を常に教育の場として好ましい状態に維持するためには,日常の点検・補修及び定期的な維持修繕が必要であり,これらを行いやすい計画とすることが重要である。
(2) 建物構造体を堅固につくり,室区画や室仕上げは将来の学習内容・学習形態の変化に応じて変更可能なように計画する等,長期間建物を有効に使う計画を行うことが有効である。
(3) 情報技術の進展等,今後のニーズの進展による既存施設の改修整備を見込んで,改修整備をしやすい施設となるよう計画することも有効である。
5 関係者の参画と理解・合意の形成
(1) 当該地方自治体や学校において実施しようとする特色
ある学習内容・学習形態等を反映したものとなるとともに,地域と連携した学校運営が行われるよう,企画の段階から学校・家庭・地域等の参画により,総合的に計画することが重要である。
また,より効果的・効率的な施設運営を行うためには,施設の完成後においても継続的に施設使用者との情報交換等を行うことが重要である。
このことは,設計当初の施設機能が十分に活用され,利用実態の面から安全性を確保する上でも重要である。
(2) 開放施設の利用内容・方法,管理方法及び当該学校施設が周辺地域に及ぼす騒音・交通・塵埃等の影響,災害時の対応などについて,事前に地域住民等と十分協議することが重要である。
6 地域の諸施設との有機的な連携
(1) 当該地方公共団体における全体的な中・長期の行政計画,文教施設整備計画との整合を図りつつ,これらの施設との有機的な連携について計画することが望ましい。
(2) 学校と地域社会との連携を深めていく上で,社会教育施設や高齢者福祉施設等との施設間の相互利用,共同利用等による学習環境の高機能化及び多機能化に寄与する複合化について計画することも有効である。
その際には,児童の学校施設における学習と生活に支障を生ずることのないよう計画し,設計することが重要である。
7 整備期間中の学習・生活環境の確保
(1) 全面改築等の場合においては,整備期間中,適切な方法により,学校教育に必要な環境を確保することが重要である。
(2) 増築,一部改築,改修等の場合においては,工事に伴い児童の心身の健康及び安全並びに学習及び生活に支障の生じることのないよう十分留意することが重要である。
特に,情緒障害や自閉症,ADHD等の障害のある児童がいる場合は,騒音,振動等の刺激によるパニックや多動・衝動性等に十分配慮することが重要である。
runより:これで第一章が終わりです。四章までありますが間を置いて掲載します。