ナノの話(2)ナノ銀4 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・4.3 銀イオン発生装置に関するEPAの官報

 EPAはワシントン・ポストの報道の約10ヶ月後の2007年9月21日、殺虫剤・殺菌剤および殺鼠剤法(FIFRA)の下に銀イオン発生装置を規制対象にすると官報で発表しました。EPAのウェブサイトではこの官報の内容について次のように説明しています。
 "FIFRAの下では、(微生物を含む)害虫を捕獲し、破壊し、追い払い、または緩和するために物理的又は機械的な方法だけを使用する製品は仕掛けであり、その製造とラベル表示は規制されるが、登録の必要はない。

しかし、もし製品が害虫を駆除し、破壊し、追い払い、または緩和することを意図した物質又は物質の化合物を組み込んでいるなら、それは農薬とみなされ、登録が求められる。製品が仕掛けなのか農薬なのかについての決定は個別に行われる。
 銀イオン発生洗濯機は、衣類についている菌を殺すと主張して市場に出されている。

銀そのものは他の登録済み製品中で農薬活性成分としてすでに規制されている"。

 "最近の報道記事は銀イオン発生洗濯機をナノテクノロジー製品として言及しているが、EPAは、この製品がナノテクノロジーを使用していることを示唆するどのような情報も受けとっていない。EPAは、このタイプの装置を登録するための申請を他の農薬と同じ規制基準に従って評価するで"あろう "。

 EPAのこの最後の説明は非常に重要です。この官報が、ナノ規制に関わるものではなく、FIFRAの下でのイオン発生装置の農薬規制であることを特に強調しているのです。

このことはナノサイズであるという理由ではナノ物質を規制しないとするEPAの従来の方針が明確に貫かれています。

しかしサムソンのカタログによれば、サムソンの銀洗濯機は"ナノテクノロジーを使用している"とはっきり記述しています。

4.4 裏付けのないコンピュター周辺機器の"農薬"主張にEPA罰金20万ドル

 2008年3月、米環境保護庁は、ある会社がナノシールド・コーティングを施したマウスとキーボードを農薬登録なしに販売し、その効能について裏付けのない主張をしたとして、FIFRA違反で罰金を科して和解しました。ナノ・コーティングをしていても"病原菌から守る"と主張しなければ、このマウスは農薬ではなく、規制に抵触しないという奇妙な法律です。

4.5 ナノ銀の規制強化を求める市民団体

 アメリカのNGOである国際技術評価センター(ICTA)は他のNGOsと連名で、製品中で使用されている"ナノ銀"をFIFRAの下に農薬として規制するよう要求する請願書をEPAに提出しました。

請願の要点は次の通りです。

ナノ銀は農薬として分類すること
ナノ銀は新規農薬であると決定し、その登録を求めること
ナノ銀のヒト健康と環境に対する潜在的なリスクを分析すること
FIFRAの下にEPAの承認なしに違法に販売されているナノ銀を含む製品に対して厳格に法の執行をすること
 地球の友オーストラリア/アメリカ2009年6月報告書で次のように述べています。
 "銀とナノ銀は、医療器具の表面処理、または重度火傷患者の傷の手当など医学の分野では疑いなく有用であるが、それらの使用は厳格に管理され、ノーデータ・ノーマーケット原則は常にフォローされること"。
 "公衆、労働者、環境をリスクから守るためにナノテクノロジーに特化した規制が導入されるまで、ナノ銀を含む全ての製品に含有ナノ銀の表示がなされるまで、そして公衆が意思決定に関与できるようになるまで、工業的ナノ銀を含む製品を市場に出すことを直ちに中止すること"。

(安間 武)