・現在は特に英語圏で問題とされており、アメリカ合衆国では人口のおよそ1割の人が何らかの程度でディスレクシアを抱えているとも言われる[2]。
ディスレクシアは言語によっても現れ方が異なることが示唆されており、イタリア語など(文字がほぼ発音通りに綴られる)では英語やフランス語(綴りと発音の間に複雑な関係がある)より顕在化しにくい可能性が指摘されている。また日本語におけるディスレクシアの多くは、このような音韻に関係したディスレクシアとは異なるタイプとの見方もある。
海外留学中の人が初めてディスレクシアと診断されたなどの例[2]もあり、英語教育の普及などによりこれから顕在化してくる可能性もある。
今のところ日本では、成人のディスレクシアの判定法は確立されていない。
この障害を持つ人で大学などの通常の高等教育を受けている場合も少なくない。
しかしながら現代の高等教育はその殆どが文字媒体により情報を交換する手段に頼っているので、制約が著しいことは否めない。
現在では先端技術の開発により、論文もテキストファイルであれば読み上げたり、読みやすいフォントに変更して読み取ることができるようになっている。
また書くことに関してはパソコンなどの活用により格段に表現がしやすくなっている。
大学入試センターの試験も23年度からは発達障害を持つ人に対して試験時間の延長などの配慮が出来るようになる。
他人に顕著ではないこれらの症例であるために、社会的に思わぬ差別や蔑視、阻害を受けることも少なくない。
そのため、彼らの権利を擁護する団体が国内、国外問わず活動している。
現在では視覚・聴覚能力の訓練や体性感覚と関連付けた学習、神経生理学的研究によって、障害を克服できた例が増えてきている。
スウェーデン国王のカール16世グスタフは、自分の名前すら満足に書くことができなかった。
その子供である長女のヴィクトリア王女や、長男のカール・フィリップ王子も同障害であった(国王及びその子女がディスレクシアを抱えていることについては、1997年にシルヴィア王妃がテレビ番組のインタビューの中で正式に認めている)。
これらの事例から、家系的にそういうものがあるのではという見方もある。
オーランド・ブルームは幼少期にディスレクシアで悩まされたが、聖書の朗読などで、現在では改善されつつある[要出典]。
また、キーラ・ナイトレイは、録音読書で学習したり色付き眼鏡をかけて文章の文字が混じって見えないように工夫し読書している。
古生物学者のジャック・ホーナーも読字障害の一人とされる[2]。
恐竜が鳥類に近い生き物であったことを証明し、映画ジュラシックパークの恐竜博士のモデルともなった人物。ジャック・ホーナーの読み書き能力は小学3年生程度で、読字障害への対応として普段は文書を一度コンピューターに打ち込み、読み上げソフトを使用し文書を聞き取るかたちで読んでいる。
対策 [編集]
これらの障害を抱えた人をサポートするために、文字そのものを音声化して理解させる工夫が行われている。例えば、コンピューター上の画面でテキスト(文字)を人工音声で読み上げさせることは簡単にできる(Text to Speech, TTS)。
その際、読み上げさせるソフトによっては、読み上げ箇所を反転表示できるため、読み補助としても効果がある。
教科書バリアフリー法や著作権法の改正により、デジタル化された教科書をそのまま読み上げさせることも可能になっている。