・ちょうせい第64号(H23.2)
http://www.soumu.go.jp/kouchoi/substance/chosei/contents/
064/110210_07.pdf
・公害等調整委員会事務局
※本稿は、読者の便宜のため、事務局の責任において平成22年に終結した事案の中から4件を取上げ概要を
簡単に整理したものです。
終結した事案の詳細は、公害等調整委員会のホームページの「終結した公害紛争事件」に裁定書を掲載する
などしておりますので、各事案に興味を持たれた方は、ホームページにアクセスしてくださいますようお願
いします。
(http://www.soumu.go.jp/kouchoi/
から、左側メニューの「係属事件一覧」をクリックしてください。)
北九州市における解体工事振動被害等責任裁定申請事件
1 事案の概要
本件は、北九州市において、被申請人が施工した集合住宅4棟の取壊し工事に起因する騒音、振動により、q隣地に存するホテルの従業員である申請人(A)に睡眠妨害、精神的ストレス、両耳難聴等の健康被害が生じたとして、申請人(A)が、被申請人に対し、慰謝料等の支払を求め、w同ホテルが入る建物を所有する申請人(B)にひび割れ等の建物被害が生じたとして、申請人(B)が、被申請人に対し、建物補償費用相当額の損害賠償の支払を求め、e同ホテルを営業する申請人会社に同ホテル敷地等に汚損等の被害が生じたとして、清掃費用相当額の損害賠償の支払を求めた責任裁定申請事件です(qにつき公調委平成21年(セ)第3号事件、w及びeにつき公調委平成21年(セ)第4号事件(両事件とも平成21年6月9日受付))。
なお、本件各責任裁定申請の前に、申請人(A)は、最初、北九州市役所に苦情を申し出た後、簡易裁判所に調停を申し立てましたが、不成立となったという経緯がありました。
2 審理の経過・結果の概要
公害等調整委員会は、本各申請受付後、直ちに裁定委員会を設け、両事件の手続を併合するとともに、現地期日を含む2回の審問期日の開催、現地調査、現地における申請人及び参考人尋問を実施するなど、手続を進めました。
裁定委員会は、本件について調停で解決することが望ましいと考え、第2回審問期日において、両当事者に調停による解決を打診したところ、後日、両当事者から調停での解決に応じる意向が示されたため、公害紛争処理法第42条の24第1項により、本事件を職権で調停に付し、裁定委員会が自ら処理する旨の決定を行いました(公調委平成22年(調)第2号事件)。
平成22年4月9日に現地で開催した第1回調停期日において、被申請人が、申請人らに対して、解決金を支払うこと等を内容とする調停が成立し、公害紛争処理法第42条の24第2項の規定により、責任裁定申請については取り下げられたものとみなされ、本事件は終結に至りました。