・高校生が出雲大社の空中散布で農薬被曝
5月29日、倉塚香織から「今朝、出雲大社で農薬空中散布をしていたとき、境内の散布中のヘリコプターの下に高校生のグループがいた」の電話連絡が入りました。
運良く、そのときたまたま現場にいて、向ってくるヘリコプターの下に高校生たちがいることに気づいたひとが「逃げろ」と叫んで避難させたので、被曝時間は短く、具合が悪くなった生徒はいなかったとのことで、安心しましたが、もし、そのときそこにそのひとがいなかったらと思うとぞっとします。
倉塚香織と相談し、倉塚香織から出雲市担当課に事実確認と生徒の健康状態の把握の依頼と、県教育委員会にはそれに加えて明朝の高校生への「のどの痛み、胸苦しさ、鼻の違和感などの発症がないか」の健康チェックも依頼する電話を入れました。
翌30日、わたしは「たべもの」の会の総会と学習会があり、倉塚香織は1日ぷらりねっとのスタッフがあって、動けませんでしたが、木村衣月子が県教育委員会に走りました。
事件当日現場にいたのは、生徒会活動のため、早朝から出雲大社にでかけた出雲商業高校の生徒13名で、警備員の「散布が終わったので、入ってもいい」の了承を得て、境内に入ったところ、ヘリコプターが引き返してきて、散布された薬剤に被曝したといいます。
当日ひとりが目のかゆみを訴えた以外は、健康被害は起きていないそうで、安心しました。
倉塚香織から、5月30日夕方出雲市役所秘書課に行って、市長に今回の事件について伝えようとしたが、「担当課経由で伝えるように」と市長との面会も、秘書課からの伝言も断られたの電話が入ったので、現場にいたひとが送ってくれた文書を基に木村衣月子が「『出雲大社における生徒の農薬被曝』に関する申し入れ」を作り、6月1日、木村衣月子が島根県知事宛と島根県教育委員会教育長宛に、倉塚香織が出雲市長宛に提出しました。
私たちが何度も請求したにもかかわらず、文書回答がでたのは、事件発生から10日も経った6月8日でした。
わたしは、倉塚香織と木村衣月子と回答を受け取りに行きましたが、「生徒に霧状のものがかかったことについては、上空からヘリコプターが直接散布したものではなく、上空を通過したヘリコプターの風圧で既に散布され松林に付着していた農薬が飛散した可能性が強いと考えられる」の回答でした。
30日朝に倉塚香織が出雲商業高校に出向いて確認したときに、教員は「ヘリコプターから散布された霧状の農薬を浴びた」と状況説明しています。
手渡されたのは、回答の根拠となる資料添付もない不十分な回答で、当日現場にいた目撃者からの聴取も行われていないなど、正確な現状把握さえ行われているとはいえないものでしたので、わたしたちは調査後の回答の再提出を求めました。
しかも、担当課は非を認めているにもかかわらず、被害生徒及び保護者への謝罪も、状況説明もしていません。
速やかに行うよう要求しましたが、それについては「検討させて下さい」との回答でした。
この件に関して、謝罪と経過報告の公表(記者発表)も要求しましたが、同様の回答でした。
わたしたちが1番憤りを感じたのは、県教育委員会からの「悪いことをしたと悔やんでいる生徒もいる」の報告でした。
危険性に関する十分な周知を受けていない生徒達に非はありません。被害生徒にどんな聴取をしたのでしょう。