・神経を狂わすネオニコチノイド
●ネオニコチノイドの作用は?
ネオニコチノイドは、昆虫や人の神経系で重要な働きをしているアセチルコリンという物質の正常な働きを攪乱します。
アセチルコリンが受容体に結合すると信号のスイッチがオンになり次の神経細胞に信号が伝達されます。
ネオニコチノイドはアセチルコリンの結合する受容体(注)に結合して、アセ
チルコリンがないのに神経伝達のスイッチをオンの状態にして異常興奮を起こすニセ神経伝達物質なのです。
有機リン系農薬は、アセチルコリンの分解を阻害して、不必要なアセチルコリンが蓄積し、正常な神経伝達ができなくなるので、両方に曝露すると低用量でも複合影響で毒性が高くなる可能性があります。
●ミツバチも大量死?
アセチルコリンは昆虫類全ての脳で主要な神経伝達物質であり、その受容体も良く似ているため、ネオニコチノイドは、害虫だけでなく、ミツバチなど生態系に重要な昆虫にも毒性があるのです。
ミツバチはネオニコチノイドに低用量でも曝露すると、脳の働きが狂い、方向性を失い巣に戻れなくなると考えられています。
またアセチルコリンとその受容体は、単細胞生物から高等動物に至るまで
重要な生理活性物質であるので、昆虫だけでなく多くの生物を含む生態系への影響が懸念されます。
注)アセチルコリンが特異的に結合する受容体には、ニコチン性受容体とムスカリン性受容体の2種類がありますが、このリーフレットでは、アセチルコリン受容体はニコチン性受容体を示しています。