第2章 学校環境衛生基準 第1 より抜粋7 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・<参考>
いくつかの学校の教室で標準測定法と相対濃度計2 機種(光散乱積分方式:P 型と光源にレーザーダイオード使用:LD 型)についての関係を求めたところ、次のような結果となった。
P-5L 1CPM*=0.0351 標準偏差 0.0094(K=3.51×10-2)
LD-3 1CPM=0.0013 標準偏差 0.0004(K=1.30×10-3)
*:1CPM(count per minute)とは1 分間のカウント数
【相対濃度計使用上の注意(光散乱方式の例)】
相対濃度計の感度については、機器メーカーは製品を一定の値に調整後出荷している。

標準粒子を用いて感度が調整されており、デジタル粉じん計P-5H 型、LD-3 型(柴田科学製)、
MODEL3431(日本カノマックス社製)は、標準粒子である0.3μm ステアリン酸粒子を用いて、
1CPM=0.001mg/m3(P-5L:1CPM=0.01mg/m3)となるように設定されている。

また、相対濃度計は、機種により粉じんの性質の違いに対する特性が異なるので、教室で測定するときは、機種ごとに変換係数(K 値)を用いて重量濃度へ換算する。
例:P-5L 教室での測定値が3CPM(バックグランド値を引いた値)であれば、3CPM×0.0351≒0.106(mg/m3)となる。
【相対濃度計の使用時の注意事項】
(1) P-5 型
① 感度較正後、タイマーを5 分に合わせ測定し、カウント値を確認する。
② 得られたカウント値を質量濃度へ換算する(上記の例による)。
P-5 型はL 感度とH 感度で10 倍の違いがあることに注意する。
(2) LD-3 型 、MODEL3431
① 測定器へのK 値のセットの仕方
K 値(1.3)をセットすることにより、測定結果をmg/m3 の単位で表示することができる。
K 値入力を実施して粉じん測定終了後に質量濃度スイッチを押すと、mg/m3 単位の測定結果を表示できる。
② 測定場所に粉じん計を置き、5 分以上任意に測定する。
A. K 値を入力してある場合
測定終了後、質量濃度スイッチを押すと、mg/m3 単位の測定結果が表示される。
B. K 値を入力していない場合(K 値が1.0 のままの場合)
LD-3 はバックグランド値の自動キャンセル機能を有しているため、測定結果からバックグランド値を差し引く必要がない。そのまま得られたカウント値を質量濃度へ換算する。
基準にはないが教室の浮遊粉じんの粒径の大きさが、どのような粒度別の分布であるかパーティクルカウンタ(光散乱式粒子計測器)等を用い評価することもできるので、質量法のみでなく粒経別に個数法の測定を行い、評価すると良い。
気流
① 検査回数
毎学年2 回定期に行うが、どの時期が適切かは地域の特性を考慮した上、学校で計画立案し、実施する。
② 検査場所
学校の授業中等に、各階1 以上の教室等を選び、適当な場所1 か所以上の机上の高さにおいて検査を行う。
空気の温度、湿度又は流量を調節する設備を使用している教室等以外の教室等においては、必要と認める場合に検査を行う。
空気の温度、湿度又は流量を調節する設備とは、冷暖房機や空気調和設備(エアフィルター等を用いて外気を浄化し、その温度、湿度及び流量(風量)を調節することができる機器類及び附属設備)をいう。つまり、パッケージエアコン、エアハンドリングユニット、ファンコイルユニット、ファンヒーター、全熱交換器付き換気扇等が該当する。単なる換気扇は該当しない。
③ 検査方法
カタ温度計又は微風速計を用いて測定する。
カタ温度計は、カタ冷却力を利用したもので、身体が感じる気流を最も良く表わしている。
しかし、カタ温度計は球部の表面積を大きくしたガラスの温度計であり、また魔法瓶等を使い温度の下降時間を読み取る等その手法が煩雑であるので、通常は熱線風速計が用いられる。
この計器に指向性(特定方向の風速に感知)がある場合には、測定時にセンサー部を風上に向けて数値を読み取り、複数回測定した平均値で気流速度を求めるようにする。熱線風速計を使用する場合は、電源の電圧低下に留意すること。
<参考>
【カタ温度計を使用する場合】
(1) 式による方法
① 気流が1m/秒以下の場合(H/θ<0.6 のとき)
V={[(H/θ)-0.20]/0.40}2
② 気流が1m/秒以下の場合(H/θ>0.6 のとき)
V={[(H/θ)-0.13]/0.47}2
V:気流
θ:高温カタθ=53-t
θ:普通カタθ=36.5-t
[H=F/T (F:カタ係数 T:冷却時間(秒))]
T:室温
(2) 気流算出表による方法(1m/秒以下の場合)
H/θ V(m/秒) H/θ V(m/秒) H/θ V(m/秒) H/θ V(m/秒)
0.31                0.076   0.41   0.276   0.51   0.601
0.32                0.090   0.42   0.303   0.52   0.640
0.33                0.106   0.43   0.331   0.53   0.681
0.24 0.010     0.34     0.123   0.44   0.360   0.54   0.723
0.25 0.016     0.35     0.141   0.45   0.391   0.55   0.766
0.26 0.023     0.36     0.160   0.46   0.423   0.56   0.810
0.27 0.031     0.37     0.181   0.47   0.456   0.57   0.856
0.28 0.040     0.38     0.203   0.48   0.490   0.58   0.903
0.29 0.051     0.39     0.226   0.49   0.526   0.59   0.951
0.30 0.063     0.40     0.250   0.50   0.563   0.60   1.000