解離性同一性障害3 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・ 診断 [編集]診断基準にはDSMやICDが使われることが多い。両者に共通するものとして、次のような症状が挙げられる。

2つ以上の複数の明確な人格状態が存在する
その複数の人格状態が患者の肉体を入れ替わり支配している人格間の記憶は独立しており、これにより、物忘れでは説明できないほどの強い記憶喪失を伴う薬物のような物質的作用や生理的作用によるものではない。
しかし、これらを短時間で確認することは困難である上、人格交代間は記憶喪失を起こしているため、他人格の存在に患者本人が気付いていない場合が多く、診断には時間がかかるとされる。

事実、この疾患の多くは幼少期に発症するが、10代のうちに診断を受けることはむしろ稀である。

なお、DSMでは子供の空想や薬物の影響によるものはこの疾患に含めない。この薬物の作用とは、具体的にはアルコール飲料を飲んだ時の一時的な性格の変容や記憶喪失などを言う。

患者の解離の程度を測定するために、DES(Dissociative Experiences Scale)、SDQ-5またはSDQ-20(5/20-item Somatoform Dissociation Questionnaire)、DDIS(Dissociative Disorders Interview Schedule)、SCID-DR(Structured Clinical Interview for DSM-IV dissociative disorders, Revised)などのスケールが補助的に利用されることがある。

性差 [編集]解離性同一性障害に限らず、解離症状は主に女性の割合の方が男性より高い。

成人女性は成人男性に比べておよそ3 - 9倍の頻度で診断される。

また、確認される同一性の数についても女性の方が多いと言う研究結果が出ている。

なお、小児期では診断される割合の男女比はほぼ1:1だが、データが限られている上に、小児期はそもそも解離性同一性障害が引き起こされる原因の同一性や自我が未発達なために、解離性同一性障害の診断が難しく、正確な研究結果ではない[1]。

治療 [編集]この疾患においては、本格的な研究が始まったばかりであることから、確立された治療法はまだ存在しない。

完治することがあるのかどうかさえ議論の対象になることがあるが、完治の報告が存在することを踏まえると、不治の病と断定するのは早計である。

また、この疾患においては、「完治」の定義が曖昧になることがある。

大きくわけて、「完治」とされる状態は次の2つに分けられる。

人格状態が1つになり、記憶がすべて戻った状態
人格状態は複数のままだが、日常生活に支障がない状態
2番目については違和感を覚えるかもしれないが、例えばDSMによれば「日常生活を送るのに支障がない」限りそれはこの疾患の要件を満たさない。

したがって、依然として複数の人格が存在する状態であっても、問題なく日常生活が送ることができるようになれば、それを「完治」としても差し支えがないと考えるのである。

この疾患では強い不安やうつ状態、不眠などを伴うことが多く、カウンセリングによる治療は必須であると考えられているので、医師とセラピスト(心理カウンセラー)の両者を適宜利用することが求められる。

医師にはカウンセリングを行う余裕がない場合が多く、セラピストは睡眠導入剤などの必要な投薬をすることができないからである。

以前は、人格統合を行うのが最善の治療であると考えられていた。

人格統合とは、人格を1人ずつ消していく(医師・セラピストの中には人格に自殺をさせたり、悪霊払いのような手法をとるものもある)、あるいは似通った人格同士をカウンセリングにより統合することで最終的に1人の人格に戻すという治療法である。

しかし、最近ではこの治療法については否定的な意見も多く、複数の人格はその必要があるから存在しているのであって、無理に消去することはかえって患者の状況を悪化させると考えられている。

人格統合の手法を取らず、人格同士がお互いに協力し合って生活を送れるようにする「共存」を目指す治療法も存在する。

現在では、まず患者の状態を正確に把握すること、次に人格同士の誤解や対立をなくすと同時に主人格を含む各人格の精神の安定を目指すことが第一だとされる。

つまり、システムの把握と安定であるが、これには長い年月を要する場合が多い。

ほとんどの場合、主人格の知らない心的外傷(いわゆるトラウマ)体験の記憶を交代人格が別個に持っており、その場合交代人格に対しても別個に心的外傷の処理が必要とされる。

患者の安全を考えた場合、この作業は人格同士の統合や共存よりも優先されるべきであろう。

喪失した記憶を無理に引き出すことは良くないとされる。

交代人格から聞いた心的外傷体験を、その体験の記憶のない人格に知らせることも同様である。

この疾患を持つものは心理的に非常に不安定な状態にあることが多く、また、抱えている心的外傷も長期にわたる凄まじいものである場合が多いので、いたずらに心的外傷を想起させることは、パニックや自殺などの大きな危険を伴うからである。

このようなさまざまな理由から、患者とセラピストの信頼関係の確立も重要な要素となる。システムの安定に伴い、心的外傷体験の想起と再記憶といったPTSDの治療に似たプロセスが慎重に行われる。

投薬は、対症的に抗不安薬や睡眠導入剤などが多く使われる。症状が重い場合は抗精神病薬が用いられる場合もある。

しかし、この疾患の治療には非常に長い時間がかかるため、身体への負担を考慮してなされるべきであろう。

また一般にこの疾患の患者が薬物依存を生じやすい傾向にあるとされる点にも留意する必要がある。

治療には何年も要するのが普通であり、医師やセラピストの適切な指導のもとで根気強い治療が必要である。

それは家族に対しても同様であり、家族内のものがこの疾患についてより学び、本当の意味での苦楽を共有することも必要である。