双極性障害(躁うつ病)2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・躁鬱混合状態 [編集]鬱状態の特徴と躁状態の特徴の両方を有し、気分の高揚と悲観的な気持ちが融合している状態を指す。

患者は常にイライラし、焦燥感を覚えながらも無気力で、睡眠欲は減退し、身体は疲弊する。さらには異常行動が見られ、破壊的である。

この状態においても自殺の危険は他の精神疾患に比べ高い。

Ⅰ型、Ⅱ型ともにみられる。ただし、軽度の混合状態は、躁状態、鬱状態でも傾向的に見られるものである。

経過 [編集]双極性障害は、うつ状態と躁状態を繰り返す場合が多い。

また、一旦症状が回復しても、再発する可能性が85%~95%に上る[4][5]とされる。このように慢性的であり、治療は困難を極める。

Stanley Foundation Bipolar Network という最近の調査でも、調査開始後の1年間の観察で、双極性障害の約2/3は症状のため生活に大きな障害を受けていたという。

このように、双極性障害は、再発を繰り返し慢性の経過をたどることが多いため、長期にわたる治療が必要となり、うつ病が「心のかぜ」と言われるのに対して、「心の糖尿病」と呼ばれることがある。

躁状態から病気が始まれば判別は容易であるが、うつ状態から始まると、うつ病や非定型うつ病と区別しにくく、明確な躁が現れるまで適切な治療を行うことが困難である。

親が双極性障害の場合、本人が自覚的にはうつ病であっても、医師に親の傷病の状況を伝えることが望ましい。

病前性格はうつ病のきまじめ・完璧主義(メランコリー親和)と異なり、社交的・板ばさみ状況を呼び込みがちなどの傾向(循環気質)が見られるとされる。発生率は、うつ病とは異なり顕著な性差は見られず、ただ、急速交代型は女性に多い。

治療 [編集]躁-うつの変動を抑制するための気分安定薬と呼ばれる一群の薬剤を中心とした薬物療法が主体となる。

また、再発をコントロールしたり再発の兆候をモニターするなどの疾患教育や、ストレス管理のためや社会復帰に向けてのカウンセリングも重要である。

薬物療法 [編集]気分安定薬(あるいは感情調整剤)による再発予防を基本とする。

その他、うつ病相では抗うつ薬の併用、躁病相においては鎮静作用の強い抗精神病薬の併用、不眠に対して睡眠導入剤の併用などが行われる。

気分安定薬 [編集]双極性障害の薬物療法の基本は、気分安定薬(mood stabilizer)による再発予防である。

躁病相だけでなく、うつ病相もある程度予防することが知られている。

炭酸リチウム、バルプロ酸、カルバマゼピン、ラモトリジン、クロナゼパムなどがある。

ある種類の気分安定薬が無効でも、他の気分安定薬が有効な場合もある。また2剤以上組み合わせることで有効な場合もある。

服薬が不規則であると効果がないため、薬を規則的に飲み有効血中濃度に保つことが重要である。

リチウム塩(商品名リーマスなど)
気分安定薬のうち、最も歴史が長く、その有効性について科学的研究が行われている薬物である。

ただ、治療域と中毒域が近い他、血中濃度を定期的に測定する必要がある。また中毒域に近づいても躁を抑え切れぬ場合、多剤併用が必要となる。一般的な副作用としては、手や指先の震えがあるほか、倦怠感、強い喉の渇きや脱水を起こすこともある。

有効血中濃度を超えた場合、複視、ふらつき、意識障害、腎障害、嘔吐などの中毒症状が現れる。
胎児に心臓奇形をおこす恐れがあることから妊婦への投与は要注意とされている。

心臓病や腎臓病を患っている者への投与にも、注意を要する。また、筋弛緩の副作用もあり、筋力が著しく低下する恐れがあるため、運動選手など、体を使って仕事をする者には注意が必要である。

治療域にあっても手の震えが起こることも稀ではなく、甲状腺機能低下症を併発することもある。

この場合、甲状腺ホルモンの併用で、うつ状態が改善することがある。

うつ状態にも多少効くが、単独では効果が弱いとされ、自殺願望が出るほどの強いうつ状態では抗うつ薬と併用する。

陽気な躁に対し有効との傾向が報告されている。
バルプロ酸ナトリウム(VPA)(商品名デパケン、バレリンなど)
元々はてんかんの治療薬であるが、近年、米国で気分安定薬として急速交代型(Rapid Cycler)に効果があるとみられ、日本でも用いられ始めた。

リチウムのように電解質が狂うことによる多彩な副作用はないが、肝臓への負担、高アンモニア血症など、別の副作用がある。

ただしてんかんの薬として実績が多い薬であり、過剰に不安を覚える必要はない。

除放剤があるため、服薬回数を減らしやすく、患者の服薬負担を減らすことができるほか、肝臓の処理能力が低下している場合でも有効である。

リチウムとは違い、鬱状態時には効果が期待できない。胎児への催奇性はリチウムより高いとされる。

不快躁病、怒る躁、混合状態に対し有効との傾向が報告されている。
カルバマゼピン(CBZ)(商品名テグレトールなど)
元々はてんかん、三叉神経痛の治療薬であり、てんかんとの併発例を治療する過程で有効性が確認された。

一般的な副作用としては、眠気や倦怠感、めまいなどであるが、ごく稀に、全身性の薬疹・肝機能障害・造血機能障害などが生じることがあり、重篤な状態となる場合もある。

リチウムと同様に、有効血中濃度を超えると中毒症状が現れるため、定期的な血中濃度測定が必要である。

またグレープフルーツを摂取するとカルバマゼピンの濃度が上昇するため、服用中は食べないようにするべきである。

この薬の特徴的な副作用として、音が本来のものとずれた音程で感じられてしまう(半音の半分程度低く、あるいは高く感じられる)というものがある。

鬱状態時には効果がない。
ラモトリジン (商品名ラミクタール) てんかんの薬で、鬱にも効果がある。現状ではもっぱら非定型精神病にしか日本では使えないが、今後、双極性障害一般への利用拡大が期待される。

バルプロ酸やカルバマゼピンと比べると、鬱状態時での効果が期待できるとされている。実績が少ない薬なので、服用に際しては医師の指導の遵守が不可欠である。
抗うつ薬 [編集]うつ病相の場合、抗うつ薬を併用することも多い。しかし、抗うつ薬の処方によって躁状態が誘発される場合もあるため、処方は慎重を要する。

抗うつ薬の項も参照。最近ではSSRIやSNRIなど新しいタイプの薬が出てきて、副作用の極めて少ない薬であるようにいわれているが、一定の副作用はある。

症例によっては従来の三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬の方が優れていることもある。

三環系抗うつ薬はSSRIやSNRIに比べ躁転を引き起こしやすいとされるが、より重要なのは、患者自身が躁転を感じたら即座に医師に連絡し、適切な対応法を聞くことと言える。

抗うつ薬の一般的な副作用は、口の渇き、便秘、排尿困難、眠気、吐き気、嘔吐などである。

抗うつ薬の効果が現れるのは、個人差はあるものの2~3週間程度かかる。それまでの間、軽微な副作用(口の渇きなど)の方が先に現れることもあり、患者にとってはしばらく辛い状態がつづく。

ただし、ドグマチール(スルピリド)のように、例外的に効果が早いものもある。

薬の効き方は個人差があるため、抗うつ薬によりうつ症状が完全に消失しにくい場合もあるが、その場合は薬剤の増量や他の抗うつ薬への変更を行う。

抗精神病薬・抗不安薬 [編集]詳しくは抗精神病薬・抗不安薬を参照。メジャートランキライザー/マイナートランキライザーとも呼ばれる。興奮が強い場合(怒りや攻撃性が見られる場合)や不安・焦燥・緊張の緩和に用いることがある。

また、気分安定薬の効果が現れるまでの間(2~3週間程度)躁状態を抑えるため併用することが多い。

睡眠導入薬としても処方される。

最近は非定型抗精神病薬を気分安定薬として使用することが増えており、リチウムを増量できない場合、追加薬として有力な選択肢である。

特筆すべきはエビリファイであり、躁と鬱の双方に自動調節で効くという特性上、躁状態の急性期を脱した後に比較的波が小さくなったケースでは、サイクルの躁であると鬱であるとを問わず継続利用することが実験的に行われている。

だし、極度の躁や鬱には有効性が確認されておらず、旧来の気分安定剤を用いることなくエビリファイのみによる治療という処方が有効であるかは不明である。