カネミ油症の35年から見えてくるもの | 化学物質過敏症 runのブログ

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・ニュースレター 第29号 (2004年6月発行)

カネミ油症の35年から見えてくるもの
国民会議発起人
熊本学園大学 原田 正純

1.人類最初の経験―――負の遺産
 カネミ油症事件がおこったのは1968(昭和43)年であったから、もう35年になる。

胎児性油症(黒い赤ちゃん)をはじめPCBなど有機塩素系化合物を直接摂取した例は人類が初めて経験した事件であった。
 最初、カネミ油から1500-2000ppmの大量のPCB(ポリ塩化ビフェニール)が検出されて油症はPCB中毒と考えられてきたが、アメリカのリ-スブロウ博士の指摘によって再検討した結果、その主役はPCDF(ポリ塩化ジベンゾフラン)であること、それ以外にもCo-PCB(コプラナPCB)、PCQ(ポリ塩化クアーターフェニール)なども含まれていることが明らかになった。

ベトナム戦争後の枯葉剤に含まれたダイオキシンの影響やセベソ事件などはもちろん、ゴミ焼却問題、母乳汚染の問題など世界的にダイオキシン系が注目されるようになったために世界中の注目を集めるようになった。
 このような事件はおこってはいけなかったが、おこった以上はこの患者たちをきちんと追跡してその影響を明らかにしなければならなかった。

その結果に基づいて的確なケアー(対策)をしていれば、まさに人類の遺産(宝)として世界的に大きな貢献ができるはずであった。

とくに現在、世界中が問題になっている微量汚染の影響を明らかにするためには、登録された患者ばかりでなく同じものを摂食した家族のデータが必要であった。

その大切な世界に貢献できるはずの患者たちを行政や医学は切り捨ててきた35年であったと言える。


runより:実際にはもう43年前の事件ですが、原文通りに掲載します。

この事件は重要な事件です。環境問題がクローズアップされた事件でした。

しかし、今は化学物質、電磁波で同じ過ちを犯しています。