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・現時点での有害性評価
ヒトの内分泌系、生殖器系への影響に関する報告はない。
本物質の内分泌系への影響を調べるためのin vitro 実験において、ヒトエストロゲン受容体に対する結合性はみられていない。酵母を用いたツーハイブリッドアッセイでエストロゲン様活性は認められていない。

また、in vivo 試験の子宮増殖アッセイ及びハー
シュバーガーアッセイでも、本物質投与による作用は認められていない。したがって、本物質の性ホルモン受容体を介する内分泌かく乱作用の可能性は極めて低いものと考えられる。
一方、生殖器系への影響として、マウスでは影響はみられていないが、ラットに360-723 mg/kg の用量で13 週間経口投与(強制経口又は混餌投与)した試験において、雄では精巣の萎縮、変性や精子数の減少、精子運動性の低下等が、雌では子宮重量の増加、性周期の延長及び消失がみられており、生殖器系への明らかな影響が報告されている。

しかし、ラットを用いた1 世代繁殖毒性試験では、F0 の雄で精巣への影響がみられているものの、生殖能及び胎仔に対する影響は認められなかったとの報告もあり、現時点で本物質の生殖・発生毒性に関して評価するに十分な知見が得られているとは言い難い。
なお、本物質の有害性に関連する情報として、ヒトでは、急性影響としてメトヘモグロビン血症がみられている。実験動物においても、内分泌系への影響が発現する用量又はそれ以下の用量で、メトヘモグロビン血症が発生し、さらに肝臓、腎臓、脾臓への影響が認められている。

変異原性・遺伝毒性ではin vitro 試験のいくつかで陽性の結果が示されているが、 in vivo の試験では陽性の報告はない。ヒトでの発がん性については
報告がなく、実験動物では最近出されたNTP テクニカルレポート案で、雌ラットで発がん性の証拠が示されたが、雄ラット及び雌雄マウスでは発がん性の確実な証拠はないと報告されている。
本評価については、今後有害性に関する新たな知見が得られれば、逐次見直しを行っていくこととする。